週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(75)

2006年7月
ルーフィング貼りの完了後は、週末ごとに雨に祟られている。
ルーフィングだけでも完了させていたからまだよかったというものだが、こんな調子ではカラーベストを乗せるまでがなかなかだと憂慮している。
屋根の一期工事に取り組んでいた間、庭仕事は一人作業だったので、倶楽部内は今や雑草天国の様相を呈している。
小屋裏に断熱材を張っている。 雨がひどい日は、kiiさんは屋内での作業をしている。
左の画像は小屋裏の断熱材を張っているところ。
晴れ間があると屋根の鼻隠(ハナカクシ)に塗装をしたり、作業はいろいろ山ほどあるが、
とりあえずは目の前の作業をこなしているというかなり不本意な現状である。
ハナカクシを塗装したところ
7月9日は村のクリーン作戦で草刈り奉仕。
所用があって村の長老宅に寄って聞き、kiiさんは急遽、作業予定を変更しての参加になった。
最近地区からの連絡ミスが多い。区長が金曜日に連絡に回ったと聞くが、金曜日に週末族が居るはずもないのにと思う。
せめて一週前に聞かされていたら予定が立てやすいものを...。
亡くなった人もあり、草刈り機を使う若手(?)が村でも年々少なくなっているそうな。
うちの担当地区は、今年は村から6人、別荘地から3人、それとkiiさんの計10人。うち草刈り機を使うのは7人である。
ひと頃は草刈り機も12台ほどあったことを思えば、その様変わりをヒシヒシと感じる。
例年は午前7時半から取り掛かり、昼までに大方を済ませて放免されるのだが、昼食に帰ってきたkiiさんイワク、「今年は別荘地への林道だけで昼まで掛かってしまったよ。まだ半分が残っているし、午後は村の人だけで出るらしいが、距離が長いところを3人の草刈りでは大変だろうなぁ。」
蒸し暑い日でダウンしかけていたが、一人でも多い方がいいだろうと、昼からも草刈り機を担いで出て行った。
その日kiiさんが帰ってきたのはもう夕方だった。
奥までいっぱいに雑木(ザツボク)の山 私はといえば、へこたれるまで頑張り夕方には声も出ないほど。
kiiさんだけに暑い思いをさせては申し訳ない
、と言う訳でもないのだが、熱い思いを充分に味わった。
前週までに長さにして30mほどの下の庭の通路いっぱいに、剪定した枝や伐採した木々を置いてあったのだが、それを運び小切りにして燃やす。その日はじっとしていても汗が滲む蒸し暑さだったが、これはもう暑いではなく熱いである。汗が滴り落ち、まるでサウナ状態になりながら必死で頑張る。
その合間にはお茶用にドクダミ、オオバコ、スギナを摘み、洗い乾す。
久しぶりに腰が折れるほどの疲労感と充実感を感じていたのだが、「これが仕事をするということだ。」と言ったら、kiiさんはひと言「アホ!!」。  なんとも愛情溢れるお言葉を、ありがとう。
夕食後はホタルを巡ってそぞろ歩きを楽しむ。この数年、大雨の影響で数が減っていたホタルが再び舞いだしたのが嬉しい。今年もまた産卵に帰ってきたモリアオガエルの鳴き声を聞きながら、早々に眠りにつく。
モリアオガエルの卵塊 ログの前にはいつかクレソンやセリ、山葵を植えたいと、kiiさんが造った小さな池があるのだが、その池に張り出したウリカエデの枝に、二年前からモリアオガエルが卵塊を作るようになった。森の木の上に棲むというモリアオガエルは産卵のときだけ、生まれた水辺に帰るのだという。
こんな自然の神秘を、居ながらにして体験できることを、「シアワセ」と言わずして何と言おう...。
卵塊の傍に居て、まるで見守っているようだが...。

ニラ焼き 野迫川への道中にあるJAで野菜を仕入れるのだが、今日はニラが安かったので大量に購入。町で買うニラは細い束だけれど、ここのものは同じ価格でその倍ほどもある。そんなニラを見つけたときは、我が家はとにかく「ニラ焼き」。二人ともが大好物なのである。たくさんのニラを使うので、こんなときしか作れない。味噌味で粉鰹たっぷりのニラ焼きは、亡母に教えられた懐かしい味である。 ニラ焼きが食べごろ

自然の恵み 乾したヨモギを焼酎に漬けたり(左)、柿の葉で化粧水を作ったり(右)と、最近はこんなことも楽しんでいる。というか、楽しみたいことのいろいろに、やっと手を出せるようになってきたと言うべきか。
ヨモギのリカー漬けは、虫刺され&虫除け用として手放せない。
ブヨに刺されて腫れ上がっていた瞼や唇の痒みが消えて、回復も早いような気がする。
(奥に見える緑は、お茶用のオオバコの陰干し)
野山の恵をいっぱいにいただける喜びをしみじみと感じている。

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