週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(76)

2006年9月(1)
8月は更新を休んでしまいました...。この夏の野迫川倶楽部の様子をお届けします。
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ルーフィングを貼り終えて後は雨に祟られ、放りっぱなしの草刈りに追われ、また倶楽部内の危険箇所整備に追われていた。
盆を挟んで二週間を、娘親子が山の家で過ごしたいという。
二人の子どものうち、上の子はもう五歳で聞き分けもよく安心なのだが、下の子はやんちゃな盛り。危険なことこそ楽しいとばかり、おまけにいたずらが大好きと聞きじいじは震えあがった。
大怪我でもさせたら大変だと、kiiさんは階段やテラスの手すり付けなどに取り組んでいた。
娘母子は今年は大阪の家にも立ち寄らず、まとわりつくような蒸し暑さを避けて野迫川に直行。
私にとっては、一週間というのは正月休暇で体験済みだったが、二週間を山の家で過ごすのは初体験で、文明から少し隔絶された山暮らしを味わういい機会になった。

窓ができました。 危険箇所の整備以上にkiiさんを悩ませたのがこれ。
「ゆうちゃんのおうちにはドアとマドがないの...。」
昨年小さな家を作った後、「来年の夏はきっとドアとマドを作るね。」と約束していたものだからさぁ大変。子どもとの約束は何が何でも果たさなければと、でもこれが結構時間が掛かった。
有り合せの材料だが、なかなかいいものができあがった。
ドアも作りました。
屋根も貼り直し、ご対面を待っていた「ちいさなおうち」。一目見るなり歓声をあげた彼女に、kiiさんも満面の笑顔だった。
こんなになっちゃった。 晴れた日はペンキ塗りというのがゆうちゃんの日課。
ほとんどを一人で塗り上げたが、慣れるにしたがってなかなかの出来ばえ。
完成を祝って「ちいさなおうち」でいただいた、ゆうちゃん手作りのとうふアイスの美味しかったこと。
子どもにとっては勿論だけれど、私たちのとっても忘れられない夏休みの楽しいヒトこまになった。
完成した「ちいさなおうち」

プール作りのお手伝い。 河原はアブが出ているので水浴びがしにくく(倶楽部内にも出るが、数は少ない。)、急遽プールを作る。ゆうちゃんもお手伝い。
畳一枚ほどのプールにたっぷりと谷の水を張り、日向水にする。
子どもたちの歓声が山々に響くのはこんなにいいものかと、kiiさんと頷きあう。来年はもっと大きいプールが要るね。
気持ちがいいね!!
ただし、プールに入れたのは前半のみで、盆過ぎに雨が4日ほど降ってから山の空気は一変した。
秋の気配が漂い、水もなかなか温まらなくなり、プール遊びは断念することに...。
ブランコ、楽しいね♪ 杉木立の中のブランコは子どもたちの大のお気に入り。そりゃぁ、大人にだって心地よいもの...。
下の子(さっちゃん)は大胆にも一人でチョコチョコ。いないと思ったらブランコ周辺へ。
しゃがみ込んで、虫の観察などをじっくりとしていたりする。
私たちはアブハチキラーを片手に後を追いかける。
この場所は、kiiさんが殊のほか丁寧に草刈りをしているのが微笑ましい。
お手伝いもしっかりする。 大好きなブルーベリーを摘んできた。 ズッキーニ、重いよ! さっちゃんはじいじだぞ! トマト、おいしいね!
(1)お手伝いするゆうちゃん。今日は大好きなエビフライ。衣をつけるのがとても上手。
(2)
「ブルーベリーを摘んできたよ。」ブルーベリーの実りが遅いと不審に思っていたら、ヒヨドリとカケスが食べに来ていたらしい。慌てて鳥避けネットを張り巡らしたことは言うまでもない。
(3)今日の収穫はズッキーニ。重すぎて倒れそうだよ。
(4)さっちゃんは、何か面白そうなことをするのではという期待感いっぱいの表情で、じいじの後ろをついて回ってばかり。
ちょっと姿が見えないと「じいじは?」トイレもゆっくり入っていられないとこぼしながら、kiiさんは満更でもない。
画像はじいじの麦わらを被り、じいじのポーズをしているところ。そうそう、寝る姿も真似っこしてました。(笑)

(5)さっちゃんはトマトと枝豆とご飯が大好き。収穫してきたミニトマトは、お皿に乗る前にサッチャンのお腹に直行。
岩ガキを焼いて...。 Hさんご夫婦が岩ガキをお土産に来訪。
美味しい海の幸に舌鼓を打つ。
うまく焼けているかなぁ。 うん、なかなか美味しそうだ。
花友達の妙子さんご夫婦と夕食をご一緒する。
ダッチオーブンで鶏の丸焼き。
野菜も甘くてとても美味しかった。
二人の子どもは山の生活にすっかり親しみ、バッタやトンボ、蝶や蝉、、カブトにクワガタ、モリアオガエルや鳥たちに目を輝かせ、花たちに優しげな表情を見せ、満天の星や初めて見た天の川に夢中になっていた。花火やたくさんの絵本を楽しみ、プールや木立の中のブランコ、完成させたちいさなおうち...。しっかり遊びきって生活の場に戻っていったが、上の子は帰路の車中で号泣していたそうな。それほど心に残る夏休みであったかと、かなり疲れていた私たちも嬉しい。
kiiさんは野迫川から府下の仕事場に通っていたから、疲労困憊だったろうが、でも愛しさが勝っているのか、そんな気配も見せなかった...。じいじは強し・・である。
ログ作りの作業はストップしたままだったが、子どもたちの充実感が何よりだと、ひっそりと戻った静けさの中で思う。


ところで二週間の山の暮らしを振り返って...。
便利なものを利用はするが、便利すぎるものには甘えたくない。
ほどほどの不便さがあってこそ、人間は知恵も働かせると言うもの。

便利すぎる=だんだん馬鹿になっていくという図式を改めて感じたことである。


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