週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(79)
大きな画像とリンクしています。

2006年10月(3)
22〜23日にかけて、堺市にお住まいの竹田さんご一家が来訪。
ご夫婦と、8歳のお姉ちゃんともうすぐ6歳になる弟君の4人家族。このところ可愛いお客様が続いている。
自然の中に子どもたちの声が響くのは楽しいものだ。
アウトドアで遊ぶことに慣れたご家族なので、野迫川倶楽部にもすぐに馴染んでくださる。

玉ねぎをむくお母さんと姉弟。 お母さんのお手伝いも、しっかりする姉弟。
玉ねぎをむくのは目が痛くならないかと心配したが、「大丈夫!!」「平気だよ!!
二人とも一生懸命に頑張ってくれた。

親子の語らいを少し離れて聞きながら、「仲良しで、いい家族だな。」と嬉しくなる。

ダッチが二台並ぶのは壮観。 最近ダッチオーブンを手に入れ、今回は実践をしたいとのことで、片方は基本編の鶏の丸焼き。
もう片方では用意をしてきてくださったチャンチャン焼き。
「魚がお好きのようだから...。」との心遣いが嬉しい。
それぞれの家庭の味を持ち込んでくださるのは大歓迎である。
ダッチオーブンが二台並ぶのは結構壮観。
子どもたちが眠った後は、焚き火を囲んで遅くまで語らう。

カラーベストを全部運んでくださった。 お父さんは力持ち。
ログ東面を張るカラーベストを全部裏に運んでくださったのだが、その積み方や雨仕舞いの様子にも几帳面さがよく現れている。
動線が長い上に形状は持ち運びしにくく、しかも重いときているから重労働だったと思うが、私たちの手間を省いてくださったので本当に助かった。
布団の始末もきちんとされているなど、実に気遣いが行き届いたご夫婦だったが、生き方の基本を子どもたちにしっかり伝えようとされている姿勢には、考えさせられるものがあった。その背中を見て育つ子どもは幸せだろうなと感じたことだった。
ユキちゃん、リク君、またきてね!


さて屋根仕事だが...。
22日はここまで。日の暮れがかなり早くなってきた。 作業のためのステージを作り、足場を補強しながらなので、一気には進まない。
切り台がないため、サンダーでカットするので屋根の上は真っ白。
雨の洗浄力は大して期待できず、ブラシで洗わなきゃダメ...かも。

←22日はここまで。
                         
翌日は何とか上まで張り上げた。→
南面から見る。足場が邪魔をしていて見えにくいが。

北側(裏)から見る 南面からは足場が邪魔をして見にくいが、北面から見るとハッキリしていてなかなか綺麗。 家らしくなってきたねと二人で自賛している。
残るはログ東面。張り上げたら棟包みを取り付けて完了になる。
急傾斜だから作業も大変だが、怪我をしないように頑張って欲しいと思う。いつの間にか山は色濃く秋の気配。
足場が外れる頃には、木々の葉もすっかり散っていることだろう。
秋色が深まる。

2006年10月(2)
7、8日と三重県からhamaさんが助っ人に来てくださった。昨年の秋に続き二度目の来訪である。
7日は明けやらぬ3時に出立したそうで、7時には野迫川に到着。
hamaさんとkiiさん、作業意欲に燃える男二人なのだが、残念なことに雨。それも筋になって落ちるという激しい雨である。
これでは屋根仕事は無理だと、空を見上げては恨めしげである。
昼過ぎには上がるとの予想だったが雨はきつく、電気も、点いたり消えたりが長時間に渡る妙な停電になった。

溶接機の試運転中 雨は夕方近くになってようやく上がる気配。
待ちかねたように外へ出た二人は、足場の補強や荷揚げの算段など、明日の作業の段取りを打ち合わせている。

←溶接機を運んできてくださったので、kiiさんは大喜び。
              
 カラーベストの半マス(真半分に切ったもの)を作る→
カラーベストを切断。半マスを作っている。
カラーベストの切断機は高価で、一回の屋根葺きのために買うことは出来ず、あいにく中古も手に入らなかった。
知り合いに屋根屋さんもいないので借りることも叶わず、サンダー(電動工具)で切断することにした。

翌朝は7時から作業開始。kiiさんも早起きだが、hamaさんには毎度シャッポを脱ぐ。
事故防止対策を整え、いよいよ懸案だった屋根葺きに取り掛かる。
スターターを張り始める ←スターターを張り始める。
                
手前がスターター、奥は昨日半マスに切ったもの→
ルーフィングはまだじっとりと濡れている。
「気をつけてね。」と、私は材料を運びながら下から見上げてハラハラ。
下地のコンパネは、これ以上置けば貼り直しを余儀なくされるという箇所もあり、取りあえずは大丈夫だろうとのことで胸をなでおろす。
手前がスターター。奥は昨日作っておいた半マス切り
LK南面の上部まで張り上がった LKとログの接合の谷が一番難儀な部分である。
何枚か切断して後は早くできるようになったが、kiiさんは頭を悩ませた様子。
hamaさんも屋根葺きは初めての作業だったらしいが、そこは現場仕事のプロで、慣れるにしたがって、山々に響く釘打ちの音もリズミカルになる。
←午前中にはLK南面の上部まで張りあがった。
                       
昼食もそこそこに北面に取り掛かる。→
午後は北面・スターターを取り付けている
hamaさんは午後3時過ぎに帰路に着かれたが、昨日の雨がなければLK部分は張り上がったことだろうし、大いに心残りであったろう。
「hamaさん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました!!」
ところで、どうもhamaさんは雨男らしい...。昨年の来訪の際も初日は雨だった。
またのお越しの折は、雨のお供は遠慮させていただきますゆえ、なにとぞよろしく!!

9日(月・祝日)は再び二人旅である。
昨日は暗くなるまで作業していたので、夕食が終わったのは9時過ぎだった。今日の作業開始は7時45分。
早朝の気温は5℃。昨日の朝は12℃で寒い、寒いと言っていたのだが、今朝は一気に下がり震えあがる。

9日・作業開始後。 棟包を取り付けるための下地を作っている 棟包を取り付けている 北面完成
(1)だんだん屋根らしくなってくる。建物の裏の土地が1.5mほど高いので、北面はよりはっきりと見える。
(2)空はすっきりと晴れ上がり、上天気になった。一昨日の雨が恨めしい。午後一時には上まで張りあがり、30分だけ休憩して昼食にする。画像は午後一番の作業。棟の下地材を作り、取り付けたところ。
(3)棟の下地材に棟包を取り付けている。
(4)午後の一連の作業は思いのほか手間取った。
棟包を取り付けた後、コーキング処理などをしてkiiさんが降りてきたのはもう6時前だった。

南面からみたところ 長いブルーシート時代が終わりルーフィングになったときは感激したものだが、でもカラーベストとのなんという違いか。「屋根らしくなったね。」「綺麗だよね。」
予定ではこの三連休でログ西面に取り掛かっている筈だったが、いつも過ぎた予定を組んでしまうという悪しき癖が出たとkiiさんは苦笑いしている。


←棟包を取り付けて点検をしている。
私はカラーベストを運ぶ役目だった。
ひと括り10枚(31キロ)はちょっとばかり重く、半分ずつ運ぶのだがその分回数が増え、動線が長いために足腰がヘロヘロになる情けなさ。それでも泣き言など言ってはいられない。
開拓の当初と比べると、体力が落ちたものだ。
あの頃、小切った生の丸太を二人で抱えて移動させたものだったが、あの馬力はもうない。(.....多分。)
10年という歳月の大きさを感じる。
家造りに取り掛かって7年、間にアクシデントで長い中断があったが、ようやくここまで辿り着いた。

夕闇の中にしばし佇み、達成感を味わう。


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