週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(80)
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2006年11月(1) 今回はページが重くなりますので、リンク画像からはブラウザの「戻る」でお戻りください。
(なお、野迫川倶楽部のトップページからも、概観の画像が一枚リンクされています。)

3〜5日の三連休が第二期屋根工事の最大の山場になる、今回はそんな決意で野迫川入りした。
紅葉を楽しむ暇がない、そんな一ヶ月を過ごしてきた。それもようやくフィニッシュを迎えようとしている...。

前日に野迫川入りすることが叶わず、3日は11時頃に到着。
早めの昼食を済ませ、kiiさんは休憩時間も惜しんで、棟役物(棟包等)を取り付ける準備を始める。
いつもながら、有り合せの材を上手に利用する才には脱帽する。

足元のテラス部分は、ログを建てるために便宜上作ったものだが、それもこの7年の間にボロボロになり朽ち果てる寸前。織り込み済み、想定内のことだが、長い時間の経過をしみじみと感じさせられる。
棟の役物を取り付けるための下準備
棟の役物を取り付けるための下張りを取り付けている ポカポカと気持ちのよい陽ざしが降りそそぐが、本人はかなり緊張の面持ちでそれどころではない様子。
高いうえに、取りつけの角度が上手くいかず苦慮しているのを、私は下から見上げてハラハラしている。
リビングキッチンの役物の取り付けも時間が掛かったが、今回もこの部分にはじっくりと時間を掛けていた。
棟役物(棟包など)取り付けている。
確かにそう。全体を引き締めるラインの美しさは、ここに掛かっている。
3時半過ぎ、薄暗くなる前にやっと完成。役物の釘打ち箇所を変性シリコンでカバーすることも忘れない。
これで明日の足場バラシはO.Kだとホッとする。

何とか雪が降るまでに、凍る前に屋根工事を完了させたいと、心から祈っていたのだが、11月の声を聞かんとしたときには、足場の解体は残るかもしれないと危惧していた。
幸いなことに今年はまだ初氷を見ず、暖かくて作業しやすいのは天の恵みだと感謝している。

夕食を取ろうとしていたときに電話。hamaさんからだった。
「もう少しですね。くれぐれも気をつけて、頑張ってください!!」との温かいエールに感激する。

破風を塗っている。恐々...。 足場バラシについては、数日前に奈良の田中君から応援コールを貰っていた。
彼の到着を待つ間に最後の作業。
足場を外してしまうと塗りにくくなるからと、破風を再度塗装しておく。
足場ももう相当に傷んでいて、補強しながらの屋根工事を続けていたが、破風を塗る間もミシッ、メリッの音が聞こえ、これ以上置けないギリギリのところだったと背筋が寒くなる。この足場の解体だけは無事に切り抜けられますようにと、手を合わせる思いだった。
そうこうしているうちに田中君到着。
午前9時、いよいよ足場の解体が始まった。
11月4日午前9時。いよいよ足場の解体作業がはじまった
破風を塗っている
当初は、私が手元になって解体工事をする予定だった。丸太を小切りにしてロープで括り下ろそうと考え、二日掛かりを覚悟していた。先週コンテナ材を運ん来てくれた際に、おそらく今週辺りには足場バラシだろうと見当をつけていたらしい。
有り難い応援の申し出だった。
田中君が来てくれたので小切る必要がなくなり、作業はスイスイと進んでいる。
補強に使った丸太はまだ状態がよく、外部の柵などに再利用できるので嬉しい。
足場の外し方如何では、危険な上にカラーベストへの損傷も起こりうるので、上で作業するkiiさんも下で受け取る田中君も慎重である。
ウロウロされると危ないということで、私は糧食当番の合間にリビングキッチンの外壁の塗装をする。
この塗装も冬になるまでに完了したいと思いつつ、諸々の作業に追われて後手になっていた。
天気よし、絶好の塗装日和を逃してなるものか...。
屋根上の足場が数少なくなってきた。 足場は着々と解体され、午前中にはログの屋根を覆う足場が全て外された。
昼食を挟んで午後はいよいよ立ち上がりの足場を解体する。
まずは北面から...。順調に作業が進んでいる。
南面に移ってかなりてこずった。支えあっていたものが全部外された後に残されたこの面は、ただでさえ不安定な上に一番傷んでいたので、迂闊に乗れず、kiiさんは相当に神経を使ったらしい。
この面が一番きついよなぁ。ほんと、難儀だよ。そんなことを言いつつ...。
それでもどうにか4時には全ての作業が完了し、「無事でよかったね、人も屋根も。」と安堵の表情でビールで乾杯!!
その夜は勿論宴会になったことは言うまでもない。

シリコン処理をしているkiiさん。手前に積み上げられているのは外した丸太の一部。 翌日は朝露が乾くのを待ってログとリビングキッチンの間の谷の処理。
雨の受け手になるリビングキッチン側を特に重点的に、変性シリコンでコーキングする。
一仕事を終えると、昨日バラした丸太の始末。
何しろ丸太の山が出来ている。使えるものと始末しなければならないものを選別しながらまとめていく。
田中君は溶接機の整備中。kiiさんは丸太を整理している。
昼食後、田中君は帰路へ。お疲れ様でした。ほんとうにありがとう!!
ログ北面から見る 「長かったね。」「よかったね。」
いつになく二人は言葉数が少ない。

万感の思いを胸に、いつまでもログを見つめていた。
ログ南面から見る
それにしても、足場が外れた後のベランダの汚さが目立つこと...。
ゆうちゃんが初めて野迫川を訪れたときに応急に作ったものだが、「これが仕上がりですか?」と不安げに尋ねられることがよくある。
「間に合わせの仮」というのが至るところにある倶楽部には、早急に何とかしなくてはいけない案件が多々ある。
これもその一つ...。
作業に追われていることは事実だが、でも、今この一瞬だけは、そんなことは意識の外に置いておこう...。

2006年10月(4)
いよいよログ東面に取り掛かった 28日(土)ログ東面に取り掛かる。
この面の足場がかなり傷んでいたために、補強に時間を取られた。
数段張り上がったところでもう11時。
休憩にしようかと思っていたところに奈良のT君が来訪。
いつものコンテナ材を運んできてくれた。今回も状態のいいものが多い。
急なことだったので即席の食事を用意し、早めの昼食にする。
奈良のT君が搬入してくれたコンテナ材
午後からはあいにくの雨。それもだんだん激しくなり、kiiさんは空を見上げて恨めしげ。
冷たい雨に庭仕事も出来ず、私も諦めの心境。到着早々、猪の大規模な土木仕事で相当に気持ちは萎えさせられているところだったから、今日はもう作業はしない、考えないと、潔く諦めも早い。
「ひとりごと」のカモシカ遭遇記でも少し触れたが、今年の猪の荒らしようは開拓史始まって以来の凄まじいものである。
被害確認のために倶楽部内を歩きながら、口をアングリ開けたままの二人である。
猪に比べたら、鹿やカモシカの悪さなど可愛いものだ...。


昨日の雨が恨めしい。ひたすら張る...。 翌日は天気も落ち着き、時間を惜しんで、朝食後の休憩もせずにkiiさんは屋根に上る。
遅れを少しでも取り戻したいと必死の様子。
足場を補強しながら、また作業用のスペース(ステージと呼んでいる。)を作りながら、少しずつ張り上がっていく。
「今日はたいして捗りそうにないよ。この分では来週に持ち越しだ。昨日の雨が悔しいなぁ。」と言っていたところにTEL。月曜日の仕事の段取りが狂ったために急にポッカリと一日が空いたらしい。
明日帰ろうと、いつになく嬉しそうなkiiさんだった。

かなり上まで張り上がった 30日(月)は、ステージ作りから作業が始まる。
「今日は高くなるよ。気をつけてね!!」の声に、kiiさんの表情も引き締まる。二段、三段とステージは上がっていく。

上がるにしたがってカラーベストの山がだんだん小さくなっていく。
当然といえば当然なのだが、どれほど嬉しいことか...。
カラーベストはもう全て運び上げた

ログ北面から張り上がった屋根を見る 三時過ぎ、カラーベストの最後の一枚を打ち付けたkiiさんは、屋根のてっぺんに立ち感慨深げ。
そしてホーッと肩で大きく息をした。
ここで時間切れ。
手間が掛かる棟包は次回に残されたが、カラーベストはこれで全て張り上がった。
足腰が緊張でバリバリになった様子だが、充実感が満ちている様子は表情にも表れている。
ほんとうにお疲れ様!!
まだ、正念場の足場バラシか残っているが、足場が全て取り外されてスッキリしたログを見れる日が近い。


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