週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(81)
大きな画像とリンクしています。
2006年11月(2)
屋根工事が完了した後には次の作業が待ち構えているのだが、気が抜けている。特に私が激しい。
ブルーベリー畑の防鳥ネットを外した以外は、ごめんと言いながら、糧食当番及び掃除・片付けのみというサボタージュを決め込んでいる。
庭仕事も放ったままというのは我ながら珍しい。
イノシシの登場以後の補修作業で疲れてしまい、この時期、庭の草は枯れてしまった、もう引けないと言い訳もしやすい。
冬枯れの様相を見せ始めた庭を見渡しながら、「来春にはまた頑張ろう。」と自身を納得させている。
来年度の作業予定表は既にびっしりと書き込まれ、冬将軍の到来はこれからだというのに、気持は早春を待ちわびている...。
kiiさんはLK内の小屋の解体作業が急がれるので、今のうちにと冬迎えの準備をせっせとこなしている。
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野菜が鹿やカモシカの被害を受けだしたので、最優先事項は柵を作りネットを張ること。
小さな畑が数箇所にあるので、結構手間が掛かる。
鹿やカモシカは、農薬が掛かっているものは避けるかどうかとふっと疑問を抱く。
「自分たちが食さないと決めた部分にネットを張らず、農薬を散布しておくでしょ。で、不味い、危ないと自覚してくれたら、ここのは食べないという図式にならないかな?」「なにを馬鹿なことを考えてるのさ。」とkiiさんは呆れる。
ミズナは我が家の一番好きな冬野菜。それを食べられるのはとてもつらい。 |
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家庭菜園のよさは収穫量よりも安全性重視だから、無農薬を徹底している。 農薬を一切使わない野菜は、野菜本来の旨みがとても濃いような気がする。
鹿やカモシカの被害は別として、今はまだ虫に食べられても笑っていられるが、これが日常の食料として重要な位置を占めるようになるとそうはいかないだろう。
自然素材をブレンドした安全な害虫嫌忌剤などを勉強しなければと、これは私の今後の課題である。
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ボロボロになっていた表の柵も全部作り直す。
材は外した足場丸太を再利用。
この作業も思いのほか時間が掛かったが、見違えるほど綺麗になった。
晴れの日を見計らって、塗装をしよう。(左画像)
奈良のT君が運んでくれてあったコンテナ材も、雨に大して当たらないうちにバラシ完了でホッとする。(右画像) |
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取りあえずの懸案事項を片付け、いよいよLK内の小屋の解体が始まった。
まだうっそうとした杉林だった開拓当初のあの頃、敷地内に車も進入できなかったあの頃は、路上の車中が宿泊所だった。
不安でいつも眠りが浅かったものだ。敷地内に駐車できるようになっても、車中泊には限界がある。
だから、この簡易小屋が完成したときはほんとうに嬉しかった。
たった一坪の狭い小屋だったが二段のベットが作り付けられ、ここが長期間、私たちの安眠の場所になったのだ。
陽のある間は目いっぱい働き、夜は焚き火の傍で食事をし、眠くなると小屋に入る。
ログの形がある程度出来上がるまでは、年がら年中、そのパターンだった。
「この小屋が出来て、初めて寝ようとした晩のことを覚えている?」「忘れられるものじゃないさ。」思い出語りが弾む。
「いざ寝ようとしたら、一時間と居れなかったよね。慌てて車に避難したっけ。」
「あれがシックハウスなんだね。凄いものだったよね。ほんとうに苦しかった・・・。」
シックハウスについての多少の知識は以前からあったが、それほどひどいことが起こりうるとは考えもしなかったのだ。
実際に強烈なものを体験して、これが日常のことならどれほどつらいかと痛切に感じたものだ。
簡易の小屋だから壁はコンパネを張ったのだが、これがいけなかった。
今でこそ人体への安全性を云々されて、安全基準が設定され、安全性の高いものも出回っているが、当時はあまり深刻な問題とも受け止めていなかったから、安易に普通のコンパネを使ったのである。
人々の認識もまだ浅かった時代の話である。
狭い小屋のことだから影響もきつかったのかもしれない。
涙ボロボロ、鼻はグズグズ、息苦しく胸がムカムカするなど、体験して初めてシックハウス症候群を理解できたことである。
除去のために急いで、「有害物質を吸着。臭い、ヤニ、汚れを軽減。優れた吸湿機能。」を謳っていたINAXのエコカラットを使用したのだが、その効果は目を見張るものがあった。
だから、私は大のエコカラット党。
我が家は地場の木を使い、できるだけ自然素材をと心がけているが、湿度が高くなりやすいLK(リビングキッチン)の内壁にはこれ以外の使用を考えていない。
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解体を始めてみると、越冬隊のカメムシがトタン屋根の下にドッサリ。
速やかに退去していただく。
断熱材まで齧り取られて巣にしてある。
家主は野鼠か、いったいどこから入ったものか...。
kiiさんは頭が閊えるので作業がしにくそうだ。 |
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この小屋は、ログで寝泊りができるようになると、道具部屋として使われてきた。
中の道具類も移動しなければならないが、次回はかなりの解体が進むだろう。
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解体作業中、LKの梁に腰掛けて小休止。
LKの天井高は床から梁までが3mあり、一般の住宅に比べるとかなり高い。見下ろすとゾッとする。
一度は屋根裏を利用しようと考えたのだが、老齢になって3m高の屋根裏に上ることが困難になる日が来ることを考え、断念した。天井裏は低いので使いにくいという点も断念の理由だったが、今解体工事をしながら、またぞろkiiさんの頭には、「このスペースを生かさなければなんとも勿体無い。」との思いが芽生えてきたらしい。 |
LK部分は約30uあり、屋根裏の両端は使用不可だが、真ん中部分は腰を少しかがめれば充分使える。
納屋を作るまでの収納場所として利用できるのではないか。いずれ我々が使用しなくなる日が来ても、若い世代には有益なスペースになるのではないかと...。
確かにそうだ。
「それに、窓を開けておけば、夏の夜には最高の寝室になったりしてね。ゆうちゃんたちもここで寝たいなんて言うかもね。」の私の言葉に、kiiさんはギクッとする。
余計なことを考えるのじゃなかった。また、たくさんの仕事を増やされそうだと渋い顔である。
ということで、屋根裏利用計画は前向きに検討されることになった。
ところで、先々週末には取材があった。
緊張のあまり、アホなことをお話したのではないかと冷や汗が出ている。 |