週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(90)

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2007年7月(2)7月7〜8日
このところkiiさんが疲れ気味なのと、JAで野菜を仕入れたかったために、金曜夜の出発を見合わせる。
JAの野菜は安いのかと問われたら、一概にそうとも言い切れないものも中にはあるのだが、鮮度がよいのがなにより。
今朝の買い物・野菜編 この朝仕入れた野菜
「キュウリ4袋(うち糠漬け用が2袋。以下単位明記なしは袋)、ナスビ2、オカヒジキ2、三度豆4、ニラ大束で5束、トマト中玉2、人参1、長ピーマン2、大根葉1、カボチャ1個、ズッキーニ2本、キャベツ1個」
やっぱり我が家は野菜喰い。
特に、カボチャ、ズッキーニ、ニラ、オカヒジキと来たら、もう目がない。
ニラはなんといっても味噌仕立てのニラ焼きに、オカヒジキは白和えにする。
オカヒジキの白和えは、シャキッとしていて実に美味しい。
我が家はオカヒジキと豆腐だけのシンプルな白和えである。セリの白和えも美味しいが、これもセリと豆腐だけ。
あれこれ入れるのはあまり好みではない。
最近特に野菜好きの我が家は、一週間分としてはこれでも足りない。
足りないけれど傷みやすい時期なので、加減して我慢する。
例年ならこれらのほかに、今頃は倶楽部の特大ミツバが食卓を賑わしているはずなのだが、昨秋からミツバ畑がイノシシにかき回されたせいで育っていない。その代わりエゴマがすごい勢いで、これはシシ連のお陰でこぼれ種が陽の目を見たのかと呆れるほどである。
早めの昼食を済ませると、ドクダミ摘みに出る。
「サァ、やるぞ」「がんばろうぜぃ」と勢いづけの声を掛けなければならないのが辛いところだ。
最近少々息切れ気味の二人なのである。
ドクダミ 雨の予報が出ていたので、リビングキッチン内にズラリとぶら下げて水切りをする。
ドクダミって不思議だ。摘んだ間際は異臭悪臭を感じるのだが、乾燥が進むとそれが消えて、野草のひなびた香りになるのだから...。
そういうわけで大量にぶら下げた本日のこの場所の臭いときたら、鼻をつまみたいほどだった。
今夜も簡単バーベキュー。相変わらず朴葉焼きと御所の梅本豆腐店の油揚げが決まったように登場している。
焼き野菜のメインはナスビや長ピーマン。他に、豚モモ肉を塩コショウだけで焼いてみたら、これがいける!!
あっさりしていてジューシー。我が家のお気に入りメニューに追加されることになった。
炊きたてご飯は「山椒の葉の炊いたん」でいただく。
いつの間にかとっぷりと暮れ、食後はホタルを求めてそぞろ歩き。
ホタルはやはり例年通りだったらしく、「アッ、ホタルじゃ。kiiちゃん、見て見て、あっちも、ホラ、こっちも!!」
「判った、判った、少し静かに見れないかい?」「アッ、すごい、すごい!!」「吃驚してホタルが逃げだすぞ。」
「だってサァ、嬉しいんだもン。」
なんとも賑やかな「ホタル鑑賞の夕べ」の二人でございました。
ホタルと遊んだツケが回り、私は日付が変るまで野草茶作りの夜なべ仕事に追われる。

いってらっしゃい!! 翌、日曜日は村内一斉美化運動の日。
毎年この時期に村内道路の草刈りをするのである。
日頃利用させていただいている道路、感謝して参加させていただいている。
それにしても、ホタルを慈しむ心情からだと思うが、ホタルが飛び゙立つ頃までを待って草刈りをするとは、何と優しいことだろう。
私はその間、相変わらずの草引き...。
いくら頑張てっも成果を感じ取れない虚しい作業に、いい加減「もうヤメだ!!」の心境になっている。
「keiさん、ついに草に根を上げるの図かな。今年はかなり早すぎるんじゃない?」
泥だらけの私を見ながら、「なんて情けない顔をしてるんだい。」とkiiさんが大笑いする。
作業員僅か一名の我が庭のこと、もうヤメだとは思いつつ、来週もまた這いずりまっわていることだろう。

2007年7月(1)
先週は進捗状況が芳しくなく、この一週間、ストレスが溜まりっぱなしの二人だった。
仕事の都合で、今回は金曜日の夕刻に野迫川入りできた。
今夕は英気を養い、明日は早朝から突っ走る予定。
ゆっくり極楽温泉に入り、食事を楽しむ。
天気予報を見ながら、明日の作業の段取りなども話し合う。
今は草刈り作業にkiiさんの手がどうしても必要で、それぞれが自分の仕事をこなせばよいという段階ではなく、しばしば話し合いの機会が持たれている。
解体されて運び込まれた板材 翌日は5時半起床。7時には作業開始。
kiiさんは天気がよい間にと、まずは先週の残りのコンテナの解体作業。
乱暴にばらすと板が割れてしまうため、注意肝要である。
解体してログ内に運び込まれた板材は、大きくて厚いだけに壮観。
バラした他の角材、平材なども大きさに応じて区分けして積み上げる。
蒸し暑く照りがきつい一日だったので、日向での作業はかなり疲れたようだ。
私は畑や庭を這いずり回る。野菜苗の定植を済ませると、スギナを摘み、雑草と戯れる。
その作業途中で大声をあげる。実は、それほどに吃驚した。
ドジ印のおけいが、今度はマムシかムカデかハチか、それとも鎌で足でも刈ったか。血相を変えてkiiさんが飛んできた。
七段の土地から成り立っている倶楽部だが、一番下段に、雑草に埋もれるようにして、4本の白樺の子どもが居たのだ。
幹の太さや枝の張り具合を見ると、3本はどうやら当歳ものではなさそうである。
白樺は種は出来ているようだがなかなか芽が出ず、実生もほとんど見かけない。
親木はカミキリムシに襲われてどんどん弱る。
白樺には縁が薄いのだと「嘆き続ける二人」だったので、先の素っ頓狂な大声になってしまったのである。
しかしまぁ、こんなところまで脱走していたとは、しかもこんなに長らく気付かなかったとは...。
この場所は最初に伐採して朽ちかけた丸太や、引いた草が積み上げられていて、滅多に入らないということもあった。
「驚かさないでくださいよ。」といいつつ、よく4本も見つけたものだとkiiさんも嬉しげである。
4本も有ったのだからまだあるかもと目を皿にしてみたが、そうは問屋がおろさなかった。
実生苗が根付いていたこの一段目は、えぐれた低地だったため後から土砂を入れたのだが、まるでガレ場の様相を呈している。なるほど...これが白樺の好きな環境なのかと、土壌改良のためにエッチラオッチラ一輪車でガレ土を運ぶ。
発見した白樺の実生苗 ←発見した実生苗。生き生きとしている。
倶楽部は昔は田んぼだったので、田の底を割らないことには根が張れないのか弱りやすい。
kiiさんは暑さと粘る土の重さで参りながら、少しでも深くと穴を掘る。
枯れた大きな三本の白樺の代わりになるには何年も掛かるだろうが、なんとかカミキリムシの餌食にならずに元気で育っておくれと、心を込めて水をやる。
予定外の嬉しい作業が飛び込んだため、コンテナ解体のほうが遅れ、何が何でも今日中に切りをつけたいkiiさんは暗くなるまで頑張る、結局この日の終業は午後7時半。30分の昼食時間を挟み、12時間労働とはよく働いたものだ...。
遅い入浴と食事を済ませてホタルを見に出る。数はまだ少ない。
大水で流されて以来、それでも年々増えているのだから、昨年よりは多くなっているはずだと期待しているのだが...。
7月の10日前後が旬となると平年通りだが、来週果たしてどうだろうか。
そぞろ歩きしながら、カジカガエルの声に耳を傾ける。
憧れのカジカガエルが、数年前から倶楽部前の小さな渓に棲みついているのだ。
オオルリが居て、モリアオガエルが来て、カジカガエルにホタルも居て、そしてもうすぐヒグラシの大合唱を聞ける。
ほんとうに幸せだと、しみじみ思う。
摘んで洗って水切り中のドクダミ 翌日は午前中がドクダミ摘み。
ドクダミは白い花が咲いたら摘み頃で、一番薬効が高いと聞く。
毎年、相当量のドクダミ茶を作るけれど、一年中もたせられるほどの量にはなかなか達しない。
もう数ヶ月前に切れてしまい、kiiさんは、まだか、まだかと待ち望んでいたのである。
大阪の蒸し暑い夏を乗り切るために、ドクダミのお茶が、kiiさんにとって欠かせないものになって久しい。
スギナは夏過ぎまでボツボツと一人でお茶作りが出来るが、ドクダミのときは一家総出となる。
総出といっても、二人だけの寂しい一家だが...。
干し場の都合もあり今回はこれだけ。この4〜5倍ほどをお茶にする。
昨年はとてもうまく出来上がった。ドクダミの緑がかすかに残り、なおかつカラッと干せて、香りも抜群だった。
天候と風の具合が左右するお茶作りは、毎年のことだが課題が大きい。今年はうまくできあがるだろうか...。
草刈り後は綺麗だねぇ kiiさんは昼から倶楽部内通路の草刈り。私は庭や畑の草引きへ。
刈り払い機の出番後は見違えるほど綺麗なのだが、次週にはもう早やボウボウになる。秋の訪れが早い野迫川では、草と格闘したこんな日々を、懐かしく(?)思い起こす時もそう遠くはない。
8月に入ると、夏野菜の収穫をする一方で、冬野菜の準備をしなくてはいけない。
毎年日中の暑さに惑わされて出足が遅れ、成長するまでに寒さがきてしまう。
今年は遅れをとるまいと肝に銘じている。
こちらも草刈り後の、庭奥へと続く道
左画像は倶楽部の入り口付近から見たところ。左の道はログへ、右の小道を辿ると、シャクナゲやミツバツツジの小山、ハクウンボクがある庭の奥へと繋がる。(右の画像)

ところで、前回に書いたモリアオガエルに関する追記である。
今週、卵塊は2個増えて、計4個になっていた。最初の卵塊はもう孵化が済み、下の池では小さなオタマさんが泳いでいた。kiiさんはアカハラ退治に余念がない。

2007年6月(3)23〜24日
先週はありがたいことに晴れベースで作業が捗ったが、この週末は天候に恵まれなかった。
おまけにkiiさんが暑気あたりと疲労からか体調を崩し、早々にいち抜けた...。「ごめんね。来週、頑張るから...。」
いつもハイペースで頑張っているのだもの。天気も落ちだし、こんなときはゆっくりしましょ。
シオデと朴の葉 今夜は食事を楽しもうと、庭を巡ってシオデや朴の葉を摘む。(左)
シオデはをサッと茹でてマヨネーズを添える。私は、なにもつけず、そのままで戴くのが好き。
御所の梅本豆腐店で買ってきたおぼろ豆腐。たまたま、丁度出来上がったところに行き合わせた。豆腐の一番濃いところ、なのだとか。
まったりした味わいが絶品。(右)
梅本さんのおぼろ豆腐
今夜も外(そと)食。今夜のメニューは上の二種類のほかにエゴマの葉の醤油漬け。焼き物は白身魚の一塩、梅本さんの薄揚げ、長ピーマン、エリンギ、カボチャ。それに朴葉味噌。
朴葉の味噌はフキノトウ味噌を味醂と酒でのばし、粉鰹をたっぷり入れてみた。
朴の香りがキノコや味噌にも移り、これははまることを請合う。エゴマの葉の醤油漬けと共に、炊きたてのご飯にバッチリの美味しさ。ご飯がこんなに美味しいと、ほんと困ることになる。
朴葉味噌
はバリエーション豊かな展開ができそうで、夏の食事の巾が広がるのが嬉しい。

村の福田さんご夫婦と 愛犬ロビンちゃんの散歩途中に立ち寄られたのが、村の福田さんご夫婦。食事は済ませたと言われるのに、無理やりお付き合いさせてしまった。
ごめんなさい...。
お目にかかると、いろいろ話が弾んで、とても楽しい。
暫し歓談して、見送りがてら散策。ホタルが数匹舞っていた。
本番は来週か、それとも再来週になるか...。
朴葉味噌
先の土曜日の真夜中ログ前の小さな池に張り出したカエデに、モリアオガエルが卵塊第一号を産みつけたが、たまたま撮った一枚が産卵の最中だった。
今までは翌日或いは数日経ったものしか見たことがなかったが、出来たての卵塊は真っ白で、メレンゲ様という表現がまさにぴったりである。(下、左画像)

この小さな池に毎年5個ほどの卵塊を産み付けるが、毎夜それは賑やかである。
普段は湧き水のある谷間に棲んでいるのだが、この時期になると帰ってくるのが可愛い。と、ここまでが先週のお話。

モリアオガエルの産卵光景 その卵塊のまだ先に、またまた卵塊がぶら下がっていた。(右画像)
これは一つか、それとも二つがくっついたものか...というほどに大きい。
お陰で枝が折れそうにしなっている。
他にも手ごろの枝がたくさんあるのに、どうしてこの枝なんだろう。
もう少し考えればいいのにね。

今にもずり落ちそうな卵塊を眺めながら、ハラハラしている。
二個目の卵塊
ハラハラはもう一つある。
下の池で孵化を待ち構えているのがイモリ(アカハラ)。不気味な赤い腹はいつ見てもぞっとする。
これが、この時期になると池を目指してどこからともなく集まってくる。
「モリアオさんがこれだけ孵化したら、この池ではキャパの問題があるのだから、自然界ってよくしたものだなぁ。これでバランスがとれていくんだものね。」自然の摂理に感心しながらも、あまりに増えるイモリにちょっとばかり心配顔。
イモリすくいのkiiさん 少しばかり退去願うことにしたが、網ですくっている様子は、どことなく童心に帰って楽しんでいるように見えるのは、気のせいだろうか。
2、3回すくっただけでこんなに獲れたイモリは、川に返してやる。
またすぐに帰ってくるだろうと言いながら...。
ところで、黒焼きにしたら惚れ薬になると聞いたことがあったが、あれは迷信?
気持ち悪くて、とてもそんな勇気はないけれど。
けっこう不気味
翌日曜日はずっと雨。仕方がないねと朝から諦めムード。
雨の中で急を要する野菜苗の植え付けだけは完了させる。
雨合羽は好きではない。中で汗が吹き出るから衣服はボトボト、それも嫌な冷たさである。
こんなことならいっそ雨に打たれているほうがいいようなものだが、山の雨は合羽の中よりもっと冷たい。

ミョウガ畑は8分通り草引きが終わったが、今週手を抜いた庭部分は、来週へのツケが大きいだろうなぁ...。


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