週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(93)
大きな画像とリンクしています。
2007年10月(2)
食べることも秋色を楽しむことも二の次、三の次で、とにかく予定はこなそうと必死の二人だった。
 |
今回は天井板にカンナを掛けるために、久々に自動カンナが登場した。
一度には削れないので、何度も器械を通さなければならないから結構時間が掛かる。
材料と器械の保管場所の関係でリビングキッチン内で始めたのはいいが、周囲にシートを被せたものの木屑や埃がひどく、これはkiiさんの見込みが相当外れたようだ。
|
 |
実を言うと、あまりに久しく電気を入れていなかったので、うまく動くかどうかと私はかなり危ぶんでいた。
何しろ倶楽部にあるのはロートルの道具や器械ばかり。家主に釣り合っているとも言えるけれど....。
安定した大きな音が響き出したときは、胸を撫で下ろしたのである。
この日、疲れ果てて、入浴後 食事をしながら早やコックリ、コックリ...。映画も本も楽しむ余裕がなかった。
「短時間集中で、二人ともほんとうによく働いたものね。」
kiiさんは2日ともこの作業がメイン。
 |
左がカンナ掛け未完了、右が完了したもの。
すべすべとしてとても綺麗になった。これは屋根裏部屋の頑丈な床も兼用する。
次回はこの板にホゾ穴を刻む。
そして天井に張る際に、先に木挽き台で作ったヤトイザネが必要になってくるのである。 コンテナだった板だから釘穴がたくさん開いているが、穴は詰めずにこのままでいく。
穴詰めに掛かるその手間や時間が惜しいということもあるが、これもデザインと考えたら、いかにも荒削りで手造りのログハウスらしい。
|
自動の仕上げカンナもあるのだが、ベルトを変えなくては使い物にならないので、まだ一度も出番がない。
天井はこれで充分だけれど、床材には仕上げカンナを使ってみたいと思う。
これほど美しくなるのだから、その上を行く仕上げカンナとはいったいどんなだろう。
二日目の昼前には大方の作業が済むが、その後の掃除が大変だった。
細部に入り込んだ木屑や埃は、風が吹いたらそのうち舞い飛んで自然に帰るだろう。
 |
私は道路側の土手の草引き。ここは春になると水仙がたくさん花を咲かせる。
このエリアはまた特別に凄いことになっていて、多分表を通る人たちも「なんじゃ、これは...。」と呆れていたのではないかと思う。
現に、作業している私を見て足を止めた村の人が、「おぉ、綺麗になったなぁ。」
「長い間、見苦しかったでしょう?」という私の言葉を、まったく否定しなかったところをみると、やはり間違いなくそう思っていたに違いない。
二日間に渡る斜面の作業は堪えたけれど、綺麗になってホッとする。 |
 |
脇目もふらず長時間一心不乱だから、指は腫れ膝や肩を痛め、このところ毎回こんな調子になるが今回は少しきつかった。おまけに首は蜂に刺される。
「わたしゃ一体何してるんだろうね。もうヤ〜メタ!!」
放り出したい思いが微かにでも胸を過ることが、まったくないといえば嘘になる。
既に管理の限界を超えていることは、堪える事実だから...。
でも、花咲く季節を思い浮かべると、そんな気持ちを一瞬でも抱いたことに後ろめたさを覚えてしまう。
kiiさんは午後から、もう数年放ったままにされている隣地の草刈りを始める。
倶楽部に近い部分は何度か刈っているのだが、大部分はススキが伸び放題なのである。
種が飛来して倶楽部内に芽生えたススキの量は、今年もかなりのものだった。
自分の土地でもないのに草刈りをしなければならない、その所要時間は惜しいけれど、 来年の草引きの手間が今年よりひどくならないようにとのkiiさんの配慮である。
一度には無理なので、何週かに分けて時間を取りながら行う予定でいる。
|
2007年10月(1)
街は気持ちよく過ごせるいい気候がやっと巡ってきたが、山は一気に厳しい季節へと向かっているようだ。
朝の外気温が12℃になり、一桁になる日も近い。日の暮れもかなり早くなり、冬迎えの仕度に心急かされる思いである。
 |
先に作ってあったログへの階段に、手摺をつけることから今回の作業は始まった。
何しろドジな私のこと、バランスを崩してこの低い階段から転げ落ち、脇腹に大アザを作った前例があるので、kiiさんとしては作らざるを得なかったらしい。
「keiさんはそそっかしいからなぁ...。」
気だけが急ぎすぎる感あり、否定できないのがつらい。まぁ、これで安心ではある。 |
私は相変わらず、鎌と手鍬と鋏を手に敷地内を走り回っている。
嬉しいことに(?)月替わりで新たな雑草群が出現するので、一息さえもつく暇がない。
草を抜き枝を払い、日の暮れにはログへの階段も這って上がる...。
それでも食欲はきちんとあるもので、kiiさん特製のニンニクステーキをしっかり平らげて明日への英気を養う。
 |
翌日、kiiさんは木挽き台の完成に向けて張り切っている。
今回で何とか作り上げたいと、早朝から作業に取り組んでいる。
手持ちの数少ない道具をいかに工夫して使いこなすか...。
kiiさんは山暮らしのなかで、そんな風に知恵を働かせることが多くなったけれど、ほんとうに上手く利用しているといつも感心する。 |
 |
今回は手元スイッチも付けて、前のものより進化させたらしい。
 |
電動丸鋸がいよいよ台に据わり、試運転の音が響く。
「快調だ!!」
「以前より使い勝手がよさそうね。」「そりゃあ、前と同じでは...ね。」
新しい木挽き台の初めての作業は「ヤトイザネ」の製作から。
リビングキッチンの天井を張るための準備の一つである。
壁面の板作りをはじめとして、当分お世話になる木挽き台。
どうぞ長持ちしますように...。 |
 |
この日は村の親しいお宅に招かれ、早めに作業を切り上げて、お風呂も済ませいそいそと出掛ける。
古い民家はそこここに昔の名残の道具があり、情緒がある。
新しきものがよいとされる風潮で町では消えてしまったものが、ここでは大切に生かされていることに感動する。
 |
庭先に置かれていたカマドに薪がくべられて、釜が掛けられた。
湯が沸騰したら中には収穫したばかりの枝豆が投入。
なんともダイナミックだけれど、これがまたとっても美味しく仕上がるのが不思議。釜のせいか、火の加減か、水か、それらが相まって旨さを引き出すのか...。枝豆が湯がけるとお次はジャガイモ。もちろん自家製である。
これがまたホコホコしてなんとも美味しい。
私はバターと柚子ごしょうで二個も戴いてしまった。 |
 |
ところで、このお宅には私の憧れているものがある。
玄関の間に置かれている年代物の長火鉢。
 |
この家だからマッチしていい雰囲気を醸し出しているのだとは理解しているけれど、いいよねぇ。ずうっと憧れなのだ。
「欲しいなぁ。作って!!」とkiiさんに言ったら、「こんな難しいもの、作れますかいな。」とあっさり却下された。
ログハウスにも意外と似合うのではないかと思うけれど...。 |
 |
テーブルには今夜の宴会の料理が次々と並ぶ。
宴たけなわの頃にはご夫婦の知り合いの方たちも訪れ、賑やかに植物談義、キノコ談義で盛り上がる。
実に有意義な一夜を過ごさせていただき、福田さん、町子さん、ありがとうございました!!
連休最後の日は雨。雑草はイヤだけれど植物にとっては慈雨。そろそろ息切れがしていたから、私にとっても慈雨かも。
何しろ山の庭の荒っぽい作業は、三日も続けられるものではない。
ごく一般的な草引きから考えると、卒倒するような作業量をこなしていると思う。
雨だし、今日ぐらいはゆっくりしたいなぁ...。ということでブルーベリージャムを作ることにする。
その傍らで、お昼用のイカシリーズを作る。イカジャガにいかのわた和えを作り、ウン美味しい。
「ほんとうは、草引きよりもこんな時間の過ごし方が好きなんだよね。」と独りごちる。
 |
ところで、昨夜町子さんのお宅に伺った際に、切り倒した山椒の木を戴いてきた。
屋外作業はできないので、kiiさんはすりこ木作り。
見本は一番下の小さいもの。参考にしながら私の要望通りのものが出来上がった。大きいものは未完成品。 |
 |
実は、私の欲しい台所道具の一つが大きな(直径30cmはあるような)すり鉢なのだが、それが手に入ったときにカーブを合わせて貰おうと考えている。
昔々、我が家には大きなすり鉢とすりこ木があった。そのすり鉢を押さえるのは子どもたちの役目だった。
料理好きだった母がすり鉢から生み出してくれるものにワクワクしながら、必死に抑えたものだった。
大きなすりこ木はそんな懐かしい思い出も甦らせてくれる。
すりこ木は山椒に限る。なにしろ堅い。
しかし、その堅い山椒もすり鉢に当たるたびに少しずつ削られ、料理と共に山椒の持つ薬効も身体に取り込めるということなのだ。
山椒は新芽から木(ぼく)に至るまで余すことなく使える優れもの。
あの鋭い棘さえも愛嬌に思えるほど、私たちは山椒の木が大好きなのである。
|
週末開拓民奮戦記へ戻る ハンドカットのログハウス(92) 夢の轍のTOPへ