週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(99)

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2008年6月(2)近況報告
自身の担当分野を片付けたいkiiさんだが、この季節だけは仕方なく、いや、否応なく草刈り作業に駆り出されている。
植栽のエリアは手作業で草を引くが、通路や杉木立の中は草刈り機でないと、「時の間に合わない」状況で、毎週、刈払い機をウィンウィン振り回して頑張っていが、時々、「アッ、やっちゃった!」の声が上がるのが恐怖である。
実生の木々や草花が年々増えるにしたがって、この「アッ、やっちゃった!」現象が多くなっているような気がする。
「好きな場所を選んで芽を出しているんだもの」と、移植を渋る私にも責任はあるのだが...。
ブヨに襲撃され、時々強烈なのを見舞われてお岩になりながら、私も頑張っている。
機械的に草を引くので、私も時々「アッ、やっちゃった」という場面があるけれど、声は出さずにそっと埋め戻しておく。
まぁ、切ったわけではないから、その点誤魔化しやすい。
週末ガーデナーは大胆かつスピーディな働きを要求されるが、作業満載、手は二本。
したがって、緑あふれる季節を謳歌できずに、気持ちが少し尖りっぱなしなのがつらいところである。
草引きさえも楽しんでしまえる日々を夢見ているが、そんな日はいつか来るのだろうか。

と、こんな調子で、このところはずっと草や藪と悪戦苦闘している私たちである。
忘れてはいけない。山椒仕事は佳境だし、野草茶作りも忙しい。

野草茶はこの時期に一年分を確保する。

したがって、最近のログ情報としては目新しいことがない。
いただいたガラス。嬉しいなぁ。 そうそう、掃きだし窓の部分をガレージに改装するとのことで、不要になったガラス戸を4枚いただいた。まだ新しい5ミリ厚の一枚ものだから嬉しい
使える素材は大歓迎。割れないかと心配しながら、喜々として運び込んだ。
LKの窓がこれで大方作れることになる。
雨の多い時期だから水の点検も欠かせない事案。
あれこれ時間を取られながら、kiiさんは板作りもこなし、次なる作業への準備に余念がない。

ところで、以前にも書いたことだが、アポなしの来訪は(夏場は特に)ご遠慮くださいますように。
「連絡していくと、気遣わせて迷惑をかけるのではないか」と考えられるようだが、いずれにしても来られたら対応しなければならず、作業の予定をかなり狂わせることになるので、連絡なしの来訪というのは却って迷惑になるのである。
来ていただくことは嬉しいのだが、せめて連絡をいただくと、立てた予定からの優先順位で作業ができるでしょ。
次回に振り替えられるものを選択する余地がなくなるアポなし来訪は、平静を装っているけれど、内心は相当に大慌てなのだ。

挙句、どうしても片付けておかなければならない作業に帰阪ギリギリまで追われ、薄暗くなった中で終いごとに走り回っている姿を想像して欲しい。そこのところをどうか判っていただきたいなぁ。

2008年6月(1)
仕事先から直行で山入りした土曜日、少し早めに着き幸い雨も上がったので、さぁ今夕は外でご飯にしよう!!
相変わらず外(そと)食が好きな私たちである。
メニューは有り合わせ。冷凍庫にあるものと手近の野菜を使って...。ウ〜〜ン、何にしようかなぁ。
ふと見上げると朴の葉が繁りだしている。まだ若すぎるようだけれど、ホウバ焼きでもしてみない?
食材はありあわせだけれど。 タラの切り身、白ねぎ、エノキを朴葉に包み、炭火の上で蒸し焼きにする。
単に練り味噌では芸がないと、山椒の葉を刻み込んだらこれがなんともいえない美味しさで、kiiさんが絶賛するところとなった。 朴葉味噌は昨年も何度か作ったけれど、今年の朴葉焼きは確かに一味、いや三味ほど違う。
山椒味噌と朴葉焼きが美味しいね!
興に乗っておにぎりにも豚のモモ肉にもと少しずつ塗って、それがぜ〜んぶ美味しい。
kiiさんいわく、「山椒味噌バンザイ!この夏はこれで決まりだね」
「いやだよ、毎回おんなじメニューなんて」
「使う魚を変えたらいいんじゃない?」って、そういう問題じゃないんだけれど。
刻んだ白ねぎと鰹の削り粉に山椒味噌のパターンも、非常に美味しかったことを付け加えておこう。
その山椒だが、新しい子どもたちが5本ほど育っていることに気付き、やれ嬉しとニンマリしている。
「全部で二十数本になるけれど、そんなに育てるの?」とkiiさんは呆れている。
私はキッパリ断言する。「もっちろん!!」 何しろ、「山椒にぞっこん」なのだ。
リビングキッチン北面の壁板を張っている。 北壁面を完成させる。
5月に壁板は作ってあったが、なかなか手を付けられずにいた。
kiiさんはずっと、宿題をし残した気分でいたらしいが、草刈りや雨後の水工事で時間を取られて果たせないでいた。完了して、ようやくホッとした様子。来週はまた草刈りをしなくちゃね...。
完成! なかなか綺麗でしょ♪
搬入されたコンテナ材 先日奈良の田中君が運んでくれてあったコンテナ材。
私たちは仕事で行かれなかった上に、雨中で独りの荷降ろしは難儀したことだろう。 
「お世話様でした。いつもありがとう!!」
午後はその解体に精を出す。
これも倶楽部では見慣れた光景になった。コンテナ材を解体している。
ラジオを聴きながら、私も傍らで草引き。
時々語らいつつ一見のどかに見えるけれど、手は機械のように動いている。
ヨモギリカー 早々とブヨが出始めて、慌ててヨモギリカーを作る。
いまのところこれが一番効果があるようで、我が家では手放せない一品になっている。
何といっても天然成分が安心。
安易に既成のものに頼らない生活を心がけたいと思っている。

昨年のものが残り少なくなったが、間に合うだろうか...。
ところで、午前11時頃、遅めの休憩をしようとしていたときだった。
「早く!カメラ」
声を抑えたkiiさんの、なんと短いセンテンス。「えっ?」指差すほうを見やれば、平然とした面持ちで居たのは鹿さん。
食糧の宝庫だと思っているのかも。 「一頭だけ?雌だよね?」
私は上から、kiiさんは下から回り込んで追いかける。
慌てて逃げ出した鹿は、境界のネットに足を引っ掛けて大騒ぎでもがく。
手荒なことはしたくないので声で脅すのだが、慌てふためく鹿は取られた足をなかなか抜くことができない。
脱兎のごとく、いや脱鹿?
さぞかし恐かったのだろう。鹿の引き攣った顔というのを初めて見た。
何度か試みてようやく抜け出し、脱兎のごとく逃げ出したがその早かったこと。
(素朴な疑問・・鹿とウサギはどちらが早いんだろうか?)
kiiさんが発見したときは、花芽が立ちはじめた白花シランを食べ始めたところだったらしい。
もう少し遅ければ全滅だったとホッとする。
しかし、厚かましいものだ。
人の気配があり、ラジオやトンカチの音も響いているのに、平気で出没するかなぁ...。
慣れているのか無知なのか、一体どちらだろう?

GW以降はこんなことをしてました。

今年も野草茶作りや山菜仕事が始まった。
早朝は山菜や野草を摘み、手早く(といえば聞こえはいいけれど、事実は相当に荒っぽく...)アク抜きなどをしておき、日中は草引きで庭中を這いずり、夜は野草茶を粉末にしたりアクの抜けた山菜を煮たりと、とにかく休む間もない。
贅沢は言わないが、この季節は身体が最低4っつは欲しい!!
内訳は、野草茶作り、山菜仕事、草引きに三体と花を楽しむ人一体。
楽しむことができなくて何が庭造りだと、最近つくづく思う。
繁茂する雑草を見やっては、「もう、どうとでもしてよ」という心境に早やなっているけれど、それでも埋もれてしまう花たちが可哀想で無意識のうちに手を出してしまう。
「けいこさんはいつだって、花にだけは優しいんだよね」とkiiさんが恨めしげである。
「花にだけ」って、どうしてそこを強調するかな!?

住んでいれば二週間もあればすっかり片が付き、釣りに山歩き、こだわりの手仕事など楽しい山暮らしを体験しているのだろうが、何しろ週末だけの山人では二週間のところが二ヶ月は掛かる計算になる。
したがってひたすら這いずり回ることになるのだ。
考えたらぞっとするから、もう考えるのは止めておこう...。
スギナ茶を作る スギナはお茶にする。
一年中欠かせない我が家の大切なお茶、bPである。

そのうちドクダミ茶作りも始まる。
ドクダミ茶はkiiさんが夏場を乗り切るための必須アイテム。
干して刻んだ後、ミキサーにかけて粉末にする
もっと増やしたいとは思うが、何しろお邪魔草ドクダミで、庭うちで見つけると抜きたくなり、倶楽部内で年中分をまかなえるほどの量が確保できないのがつらいところである。
それでも、野迫川倶楽部産、無農薬安心印の基本方針でとことん頑張ってみようと思っている。
山椒の若芽を摘む 山椒の新芽や若い枝先は粉鰹をたっぷり入れて佃煮風にする。
味が濃くなるとそのものの味わいが薄れてしまうので、我が家では佃煮にはしない。あくまで、佃煮風に仕立てる。
これがkiiさんの大好物。
昨年はお初のチャレンジで少量を作ってみたが、これが好評だった。
早くに無くなってしまいガッカリされたものである。
けいこ流・山椒の佃煮風
この「山椒の佃煮風」は手巻き寿司にも欠かせない。
大ザルに二つ摘んでも出来上がりは少量になるので、新芽が出る度に作る。
山椒も「そう度々摘み散られては落ち着きまへんがな。いい加減にしなはれ」と腹を立てているのか、鋭い棘でチクリと反撃する。

刺されるたびに「アッ、ごめんね」とつい謝ってしまう。
なるべく優しい棘の山椒を摘みに回り、鋭いのはkiiさんに任せてしまおう。

そんなこんなで走り回っているけれど、kiiさんも負けじと奮闘している。
仮伏せから本伏せへ、ホダ木を移動する 仮伏せしてあったキノコを本伏せ場所に移動させる時期が来た。
キノコの植菌は初体験で、それも一冊の本を頼りにというから頼りない話。
仮伏せから恐る恐る引き出したホダ木には、期待が持てそうな兆し...。
敷地の一番奥まった場所まで運び上げるのは大変だったようだが、どうにか全部を移動させて一安心。なかなか壮観である。
敷地奥に移動したホダ木
「ゆっくりお休み。そしていつか美味しいキノコの恵みを待っているからね」とホダ木たちに声を掛ける。
キノコのピッツァにキノコのキッシュ、キノコの鍋を思い浮かべては舌なめずりをしているけれど、果たしてそうは問屋が卸すだろうか!?

丸太を縦挽きしている。慣れたものだ...。 いまや見慣れた光景になったけれど、またまた木挽き台が登場した。
毎度思うことだが、丸太からの製材作業は実に大変である。
その工程の多さを考えると、いくら慣れたとはいっても進捗状況が悪いのは仕方がない。今回は裏面の残されていた板張りを完成させ、続いて軒天井も仕上げる予定らしい。kiiさんは木屑まみれになって頑張っている。
手製の木挽き台がまたまた登場
毎回、本はもちろんだが、キノコや保存食のレシピなどを大量に持ち込むけれど、「お勉強」や「読書」どころではなく、疲れきってバタンキュー。
一応勉学意欲だけは旺盛で、持ち込んだ資料をそのまま持ち帰るというパターンが続いている
いい加減に諦めればいいものを「懲りない私」なのである。
きっと秋まではこんな調子なんだろうなぁ...。
暖かいストーブにへばりつき、映画や本と親しんでいた静かな日々がちょっぴり懐かしくもある。


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