週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(101)

大きな画像とリンクしています。

2008年8月(3)
山では常に、よく遊びよく働きがモットーの私たちだが、夏季休暇は遊ぶことを忘れてほんとうによく働いた。
「皆が休んでいるときに、よくもまぁ頑張るよね」と、二人で呆れている。
火傷をしたり髪の毛を焼いたり...。 ログ作りに使用した丸太足場や、朽ちてしまった廃材などが山になっていて、非常に見苦しくずっと気にかかっていた。
この休暇中に出来るだけ処分しようということになる。
予定では「軒天井を仕上げる」がトップにきていたが、急遽変更である。
朽ちた丸太をチェーンソーで小切って割るのはkiiさん。私は燃やし役である。
夏の火の番ほどつらいものはない。まるで、灼熱地獄である。
灼熱地獄に耐えて得た満足感「片付いたね!」
ただじっと燃やし役をしているのではなく、草引きや糧食担当も同時進行で走り回る。
kiiさんは午前中はこのサポートを片付け、昼からログ造りに戻る。
所用日数3日間。見違えるほど綺麗になった。
なんとしても片付けたかった案件で、残して休暇を終わりたくなかったからホッとする。
まるでサウナに入っているような、滴り落ちる汗を拭う三日間で、私は完璧にバテてしまった。
妻壁に開口を作っている kiiさんは腹が立つほど元気。
次から次へと作業をこなしていく。
時間に余裕があるときにじっくり取り組みたいと、リビングキッチンの屋根裏・妻壁開口部の取り掛かっている。
開口部を外部から見たところ 窓枠や建具を作ってガラスも入り、なかなかいい感じに仕上がった。
上部の三角部分は裏が網戸で、開閉できるようにするそうな。
今回は右側が完成。左も同じ仕上がりになる。
もうはや、左右が出来上がったイメージを頭に浮かべている私である。
仕上がりはなかなかいいね♪
ところで今年はひどい渇水状況である。
例年夏場は少なくはなるのだが、それでもこんな年はなかった。
この黒いパイプから音を立てて流れていた谷からの融水が、情けないほど細くなっている。
雨が降らない、水は細る 左は野迫川倶楽部の湧き水で飲料水にしているが、これも休暇中に枯れかけて慌てる一幕があった。
近在に井戸を作って貰ったという人が居るので、後学の参考のために見学させていただく。
井戸を見学に行く
これから先、渇水の年がないとも限らず、いずれ住まうようになったときのことを考えると、井戸も視野に入れていかなければならないか。ほかにどんな方法があるか、水に関してはライフラインのトップに来ることだけに神経を使う。

ところで、夏季休暇初日から「キィ〜ッ、キィ〜ッ、ギャァ、ギャァ」と喧しいのなんの...。
ブルーベリー畑にヒヨドリやカケスが訪れているようで、主よりも先に食べるとはけしからんと追い払えば、数回の後にはヒッソリと訪れ、ヒッソリと食べだす学習能力の高さ。
防鳥ネットを張らないことには帰るに帰れないと、kiiさんは必死。
防鳥ネット工事中 ブルーベリーの植え込み範囲が広がっているので、まずは骨組みの補強&拡張工事から始める。
「入れるものなら入ってご覧」
周囲の木の枝から窺っているヒヨドリ相手に、厭言を言う私。(笑)
これでどうだ!!
まともに食事を作り、ゆっくり食べたのは初日だけ。走り続けた夏季休暇だった。

2008年8月(2)
蜂のお陰で(まだ治っていない)今週は小作業に留めている私と違い、kiiさんはやたら張り切っている。
軒天井を張り終えて紐を打っている リビングキッチン南面の軒天井が張りあがった。
多少の不揃いがある先端部切り口を隠すために、「紐」なるものを打ち付けている。
中から見ると、確かに綺麗だ...。
リビングキッチンから仕上がりを眺める
バンバンと簡単に手早くいきたい私と、拘り派のkiiさんの間にはかなりの見解の相違があるけれど、まぁ、家造り担当者相手に口を出すのは控え目にしておこう...。
北側軒天井の下地作業 リビングキッチン北側の軒天井の下地を作っている。
下準備をしておけば張り出しが楽になるから、とkiiさん。
夏季休暇中の作業予定は満載だけれど、果たしてどこまでできるだろうか?
予定の7割がこなせたら上々と踏んでいるのだが...。

2008年8月(1)
秋から冬まではアッという間の短さの野迫川のこと、流石にいつまでも草刈りばかりしていられないと、今回から家造りに重点を置いた作業になった。
肩を落とす私に、「間を見ては手伝います」とはいうけれど、そうなると家造りが遅れる。
どちらが優先かというと、それは一目瞭然だものね。

溝掘りカンナで作業中 時間を見つけては少しずつ作ってあった軒天井用の板材に、溝掘りカンナで合じゃくり(右画像)を作っている。
木屑にまみれながら「大変ですわ」と言いつつも、木と道具類に触っている時のkiiさんは、どことなく楽しげに見える。
合いじゃくりはこんな感じ
軒天井の下地作業中 リビングキッチンの軒天井の下地作業をしているところ。
「下地作業なんているの?直接打ち付けていくんじゃないの?」
「しかしまぁ、けいさんはいつだって、なんでも簡単にとんとんとできると思っているんだからね」
kiiさんがぼやくこと、ぼやくこと・・・。
確かに、と思う。家造りに於いて、どの工程にも簡単という言葉は通用しないものだ。
軒天井の張り出しが始まる ←張り出しが始まった。今回は釘打ち機が初登場した。
バンバンと打たれていく釘に「早いね!」
私も草引きなど放り出して家造りに参加したくなる。
ほんとうはどちらかというと、そちらのほうがずっと好みなのだ。
今回、釘打ち機が初登場。
草引きをしながら家造りの音を聞くという、いつものパターンが戻ったのは嬉しいけれど、繁茂する草を見やりながらそっとため息をつく。
なかなかいい雰囲気だね リビングキッチンの中から張りあがっていく様を眺める。
「オォッ、全然違うね」やはり手を掛けただけのことはある。
「張りあがったら仕上がりでしょ、綺麗だなぁ」と喜ぶ私に「甘い!!」とkiiさん。
材の切断部を隠すための紐を端に打つのですって。
「これで充分じゃない?素人の家づくりだもの、そこまでしなくてもいいんじゃないの?」とは内心思うけれど、本人にはそれなりの拘りがあるのだろう。
解体が済んで積み上げられた板材 田中君が運んでくれたコンテナを分解して出来た板材。
ログの天井や床板、戸棚や書棚に、そして近い将来作らなければならない納屋の壁面や床にと、
大活躍してくれることだろう。
感謝!!
ところで、また大ドジをした。
今年は猛暑のせいか例年より早くアブがブンブン飛び回り、夢中で草引きをしている背面に攻撃を受けて、先日から悲惨な状況になっていた。
今回も「煩いアブめ」と思いつつ作業していたのだが、アジサイの剪定に鋏を入れた途端に数匹の蜂に襲われた。
ブンブンいっていたのはウシアブに加えて同じ色合いの蜂だったというわけ。
親切にも(?)危険を予告してくれていたのに、気付かなかった自分が不注意だった。
以前に一度、素手だった左手の甲を数箇所刺され、そのときは紫色に腫れ上がって自分の一部とは思えないほどに恐ろしげだった。
その体験から、暑さにもめげず完全防備体制で作業していたのだが、それでも彼らのほうが一枚上手だった。
逃げようとしたところを左上腕部にチクリ。衣服の上から刺すんだもの、処置なしである。
丸太運びで鍛えられてただでさえ太い我が腕は、いまや見事になっている。
病院が苦手な私だが、大人しく注射と薬のお世話になり、ひたすら腫れと疼きが引くのを待っている。



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