週末開拓民奮戦記
ハンドカット&セルフビルドのログハウス(35)
8月24〜25日 今回の野迫川行きは天候が安定して作業もしやすく、久々に気分爽快で過ごすことができた。 雨が続いて長い期間作業らしい作業が出来なかったので、溜まっているものがあり、ソレッとばかりに作業に精を出す。 日中は流石に紀伊山地の太陽でカンカンに暑いが、空気は爽やかで汗も心地よい。 湿気の多い大阪でかく汗とは、どうしてこんなに違うのだろう。 先週 蝉時雨を聞かせてくれたヒグラシがピタッと鳴りをひそめ、代わりにツクツクホウシが鳴きだした。
今夜はお好みの居酒屋風。あれこれ少しずつたくさんの種類というパターン。 料理が出来上がる頃には、ほろ酔い気分である。 野外で食事ができるのは久しぶりのことで、やっぱり<晴れの日>が楽しい。 BGMは虫たちの合唱である。
「なんだろう??」ぼやけた頭でしばし考える。 「kiiさん、火星だよ、火星!!」ぐっすり眠り込んでいるkiiさんをたたき起こして、天体望遠鏡の使い初め。 くっきり鮮やかなオレンジ色の火星に感激する。 町だったら、きっと怪しげだと通報されて大変だろうねと笑いあう。 こんなことができるのも、周辺に人家がない山なればこそ...。 星の煌きに魅せられて、1時から3時までを夜空を眺めて過ごしてしまった。 |
8月25日 野迫川の朝はもう秋の気配...。気温18度、日中との温度差は激しい。 早朝の爽やかな空気の中で、食後のコーヒーを楽しむ。 このひと時がたまらなくいい...。 「ここで暮らせる日が早く来たらいいね!!」 口には出さなくても、きっと思いは同じだろう。 夏の町での朝食は野菜のジュースにコーヒーだけ。でも野迫川に来るとしっかり食欲が湧く。 ハードな作業をしても体重が増えるほど、ご飯が美味しい。それも朝からである。 澄み切った空気にプラスして、気持が安らぐせいだろうか...。
一輪車でコンクリートを運ぶための道も出来た。 この日の昼、私は少々ドジをして左足を痛めてしまった。 重い丸太の木端(コバ)を左足の甲に落としてしまったのだ。腫れ上がった患部を谷の流水で冷やす。 午後はブルーベリー摘みをはじめとして、終い事の全てをkiiさんに負んぶに抱っこ。 一人で泊り込んで庭仕事をしたい私に、いつも、何か事故があったらどうする?と反対していたkiiさんだが、こんなことが起こると一人では困る。 二個一コンビと言われるけれど、事故は不意にやってくるから、やはり二個一コンビでいることの必要性を思い知らされたのである。
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8月13〜17日 13日(木)、仕事が一区切りついて夏休み。一日でも多く休みたいと、頑張って仕事を片付けたのだ。 作業の遅れを少しでも取り戻したいと、意欲満々で午後から野迫川入りする。 着く早々、休む間もなくkiiさんはログの雨仕舞いの点検。 最近の雨量が非常に多いこととシートの劣化で、数ヶ所に少量の雨漏りがあったが、とりあえず応急に補修。次回までに厚手のシートを購入することにする。 ダイニング部分の棟が上がらなければ屋根材を張ることができない辛さ、である。 このところ日帰りが続いていたのでログ内は混乱を極め、私は掃除から着手。 スッキリと気持ちよく過ごせるようになった頃には、夕方になっていた。 鯵の酢漬けをメインに焼酎ロックを酌み交わし、「明日から頑張ろうね。」と意気盛んな二人であった。 |
8月14日 夜半から降り出した雨は、一日中いっときの休みもなく続き、それも冷たい雨では草引きに出る気力も萎える。「自然現象には逆らえないもの。仕方がないよ。」と諦めの心境...。
インスタントラーメンも買い込んで行こうと言う私に、「何を言うやら、みかんやら。夏はソーメンか天ザルウドン&ソバでしょう?」と宣ったkiiさん。「温かいラーメンが食べたいね。」とは、そりゃ、ないでしょう。 ゴソゴソ探して「あった、あった二袋だけ...。でも賞味期限が切れてるよ。」「大丈夫だろ。」 キムチをたくさん入れ込んで食したラーメンは美味しかったけれど、まだ何の影響も出ていないところを見ると、確かに大丈夫だったらしい。 本を読むのにも飽きて、夜は町から持ち込んであったビデオで映画鑑賞。 400巻ほどのビデオは、こんな時に役立つ。 久しく映画などを観なかった私たちだったから、妙にワクワクした気分で映像に見入る。 しかしまあ、窓を締め切り長袖を着込み、タオルケットに二重毛布を重ねて寝る夏など想像もしなかった。 |
8月15日 空ばかり見ていた...。 雨はどんどんひどくなり、昨夜は雨音の激しさに何度も目を覚ました。 貴重な夏の休暇を、2日も空を見上げているのは辛いものがある。 何しろ、外に出なければ出来ない作業ばかりなのである。
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8月16日 午前7時から9時までの二時間ほど雨が止んだ。それでも、いつ降りだすか判らない低く垂れこめた雲に、工具を出すのをためらう。天気を気にしながら、kiiさんは草刈り機で通路を刈る。 案の定、雨。こうなると、どうともなれと開き直りである。 たまたま、大阪に住まうFさんご夫婦から電話。 「お昼の用意をして行くから、炭だけ用意してね。作業の邪魔をしないように、お昼をしたらすぐに帰るから...。」「雨ですもの。どうぞごゆっくり...。」「エッツ、大阪は晴れているよ。雨なの??」 「そう、ずうっと雨なの...。」 Fさんご夫婦が気遣ってくださるように、作業をしている時の不意の来訪は、予定も有り、中断することは堪える。あらかじめ知らせて欲しいと思うけれど、理解してくださる方は少ない。 でも、作業のできない雨の日ならどうということはない。 「どうぞ、どうぞ...。」と言う訳で雨を眺めながらの宴会になる。
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8月17日 ずうっと、ずうっと雨だった。身体中からカビが生えてきそうだ。 「帰ろうか...。」「ウン...。」 雨の中で撤収作業。 結局、開拓民としての作業は何も出来ない夏期休暇だった。 「次回に頑張ろうよ。」と声を掛け合って、野迫川を後にした。 帰路、道路が崩れかけている個所が多く目に付いた。 このルートも使えなくなると、野迫川倶楽部に通うためには相当の迂回を強いられ、、かなり困難を要することになる。 道中目撃した事柄があったが、それについては、ひとりごとにて。 しかし、夏期休暇が終った後に晴れの日が来るとは、なんとも皮肉な...。 |
8月11日 台風10号の被害が各地で大きかったようで、被害に遭われた地方の方にはお見舞い申し上げます。 さて、倶楽部では...。 土砂で水が止まってしまい、二本の水(谷からの水と湧き水と。)の復旧に時間が掛かりました。 何しろkiiさんの手作業による復旧工事なものですから...。 リンゴの紅玉が二本、サクランボが二本倒れ、杉が一本ひっくり返っていました。 ログ側に倒れていたらと思うとゾッとします。 ログ内は雨漏りもなく無事だったのが幸いでしたし、停電が8時間ほどあったようですが冷凍庫内も一見は無事。 なぎ倒された草花の処理に数日は掛かるでしょうが、これぐらいで済んでありがたいことです。 ただ、道路が大変...。 通常の野迫川村へのルートが、県道の部分で閉鎖されています。 土砂崩れは土砂崩れなのですが、上からの崩落ではなく、道路が削られて無くなってしまったのだとか...。 復旧には10月半ばまで掛かるそうです。 迂回路は大方が細い山道で、車の対向が難儀。 迂回路の終点は倶楽部の前を通過するので、いつもはヒッソリしている前面道路がとっても賑やかです。 さて、夏の休暇ですね。 どれほどの作業ができるか、とにかく頑張らねば!! |