週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(37)
基礎工事(1)

【画像にポイントすると説明文がでます。】

9月14〜16日
仕事の都合で14日(日曜日)からの出動になった。
天候が安定している時を選んで、いよいよ基礎工事である。
ボイド管とセメントも仕入れてきた。 ボイド管とセメントを仕入れてから野迫川に向かう。

遅めの昼食をそそくさと済ませると、
「サアッ、はじめるか!!」

基礎のベースのコンクリートを打つために、鉄筋を組む。
kiiさんは黙々と作業を続ける。
近在で山遊びをされているKUさんが様子を覗きに来られる。
私たち二人で片付けるつもりで、基礎を打つことは誰にも知らせていなかったのだが、「そろそろの気配を感じて...。」と助っ人を申し出てくださる。
ありがたく、ご好意に甘えることにする。
おかげさまで、夕方遅くにはベースの鉄筋をほぼ設置し終わる。

明日の荒仕事のことを考えると、二人とも気持に余裕がない。
これではいけないと反省しながらも、「無事に終るかな...。」と思いはそこに巡ってしまう。

さて、翌朝は目覚めもよく、「頑張ろうね!!」のかけ声とともに活動開始。
KUさんも来て下さり、まずは、ご近所にダルマのミキサーをお借りしにいく。
長らく使っていなかったようで、スイッチを入れてもウィーーンとしか言わない。
「エライことになった...。」と、真っ青になる。
ダルマがなければ予定が大幅に狂う。基礎コンクリートを手でなんぞ練れるものではない。
kiiさんがベルトを思い切り引くと、固まっていたダルマが急に動き出してホッとする。
KUさんが練り方を引き受けてくださる。お昼過ぎからはHさんも応援に...。 KUさんが練り方の荒仕事を引き受けてくださる。
kiiさんは基礎コンを均したり、ボイド管を設置し組んであった鉄筋を入れたり、布基礎用の鉄筋を入れたり、おまけに卜伝君を操縦したりの大忙し。
私もあの作業、この作業と走り回る。
kiiさん、KUさん、私に卜伝君の連携プレーがスムーズになった頃はもうお昼だった。
布基礎用の鉄筋を入れ込む お昼の用意をしていると、知り合いのHさんご夫婦が大阪から昼食の差し入れに来て下さる。
鶏の唐揚げや玄米チャーハンの用意しかしていなかったけれど、刺身やチャンチャン焼きなどの豪華なメニューも加わって、基礎コンでなければ宴会になるところだとkiiさんと顔を見合わせる。
あいにくか幸いにか、KUさんもHさんご夫婦もアルコールが苦手。
従って私たちも、午後からの作業に影響を及ぼすことはまったくなかった。

昼食後は、Hさんも手伝いに仲間入りしてくださる。

4時前には第一段階のベース打ちが完了。
これで基礎の6割が片付いたことになる。

お手伝いくださった皆様、ありがとうございました!!
第一段階が完了し、土を均す。 「お疲れ様!!」とKUさんやHさんご夫婦が引き上げ
た後は、残り部分のベース打ちをするための準備。
そして山になっていた土を均す。

明日一日で、どこまで出来るかなあ...。
小さくなった砂やバラスの山を見ながら、「とにかく、頑張らなくっちゃネ。」

放心したようにぼんやり座って、ドクダミ茶をいただく。

←この画像は大きくなります。
その頃になってようやく、阪神・広島戦がディゲームだったことを思い出す。
ラジオのスイッチを入れたのは、丁度、赤星がサヨナラヒットを打ち 阪神がマジックを1にした時だった。
「聞けなかったね。」「こんな日に基礎をしているのもまたヨシさ。」
「呑もうか!!」「いいね!!」
蔵純粋を水割りにして、谷の水で冷やしたトマトを齧りながら、暮れていく風景を眺める。
kiiさんの携帯ストラップは53番赤星。私は77番星野監督。ともに娘からのプレゼント。 そしてヤクルトが横浜に破れ、阪神が優勝を決める。
しみじみと18年を懐古しながら、握手をしカンパイのグラスを掲げる。
「苦節18年、雌伏18年、ほんとうに長かったね。」
「最下位が多かったものね...。」
kiiさんは「負けていてもいいんだ。阪神が元気で試合をしていてくれたら、それでいいんだ。」と言う。
私は、負けている試合を見ていると胸が痛くなって、スイッチを切ってしまう。
多分どちらも、紛れもなく虎ファンなのだろうが...。
生まれた時から虎だった娘夫婦やその子どもも、さぞ喜んでいるだろう...。

上気した身体を冷やそうと外に出ると、野迫川倶楽部は満天の「星野」下だった。

昼間の労働には流石に疲れ果てて、二人とも夕食も摂らずに寝てしまう。
翌16日
この日は二人だけの作業に戻る。
コンクリートを二人で練り、流し込み、こんな時だけは、いいコンビだと思えるほど息がピッタリ合う。
「普段もこうならいいのにね。」と言い合いながらスムーズに作業が進む。

残り部分のベースを打っている時に、湧き水の給水パイプのジョイント部分が抜けてしまうというアクシデントもあったが、それぐらいならご愛嬌というものだ。
ボイド管への流入も完了。 ベース打ちが快調に進んだので小休止。
「思ったより進んでるね。」
「どうする??」
「やってしまおうか!!
という訳で、ボイド管に基礎コンを流し入れる作業も、一気に片付けることにする。
昼食の時間も惜しく、パンを齧りながら作業する。
これから後は、休憩もせずにひたすら練って流し込む。

そして、ようやく、予定部分までが出来上がった。
←この画像は大きくなります。
見よ、この勇姿!! オンボロだけれど神々しいではないか...。 今回の基礎造りでは、卜伝君の力がまたまた大いに役立った。
私もKUさんも一輪車で運び入れると思っていたのだが、kiiさんの思惑は違っていた。
一輪車で斜面を運びあがり、遣り方をくぐるのは大変だから、それも10回や20回ではないのだからと言う。平均40cm、厚いところは60cmもある基礎のベースを打つのに、無駄な疲労は抑えなければと言う。
「フーン。」と怪訝な私とKUさんだったが、いざ蓋を開けてみると、
この方法がベストだったと思い知らされる。
卜伝君を固定して、彼のアームだけが練り場と遣り方の中を移動する。コンクリートの入った重い缶を三つぶら下げても、彼ならビクともしない。着地地点から流し込みまでの人力は必要だが、運び込む労力の軽減は大きい。

もっとも、その分kiiさんは大忙しだった。
いつものことながらkiiさんの発想には拍手である。知恵は使えば湧いてくるものだ...。

ボイド管で基礎を立ち上げる部分は出来上がったが、その外側に作る浴室部分の布基礎はまだ別予定で
ある。ここは別個に仮枠を組まなければならず次回に残す。
次回はその仮枠作りとコンクリートの流し込みの予定だが、天候次第になる。
二日はかかるだろうが、それは今回の作業に比べると小さな作業で、これほどの疲労感はないだろう。
それで基礎造りの全てが完了する。(...予定である。)

道具を洗い、ミキサーを返却し、終い事はヨイショ、ヨイショの掛け声で鼓舞しながら...。
疲労感はかなり大きかったが、それよりも達成感が勝っている、そんな心地よさの中で帰路についた私たちだった。


                                                                                  
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