週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(38)
基礎工事(2)

【画像にポイントすると説明文がでます。】

9月27〜28日
いよいよ、三週間続いた基礎工事のフィニッシュである。
野迫川に着いて一休みする間もなく、前回のミキサーを再びお借りしに行く。
表情は一見余裕がありそうだが、何とか今回でキリをつけたいと二人とも内心は必死。
仮枠にコンクリートを流し込む 手順は前回同様である。
コンクリートを練り20リットル缶に移したものを、卜伝君が仮枠内の比較的平らな部分に着地させる。
そこから二人でヨイショ、ヨイショと流し込む場所まで運び、画像のように流し込むのだが、これが重い...。
それも結構な量が入る。
仮枠の巾は15cm、一番深い所で73cmある。
いくら入れてもなかなか天まで埋まらない。
今回の布基礎の作業は、途中でまた明日というわけにはいかない.
何が何でも、最後まで行き着かなければならない作業だった。
危険防止のための声を掛け合いながら、手分けして動く。
それも暢気にトロトロしていられない。ウカウカしているとコンクリートは固まってしまう。
なるべく暮れるまでに片付けたい、その思いだけに駆られていた。
天場均し(てんばならし) 流し込んだコンクリートを木ゴテで天場均し(てんばならし)
その後に、ブロック積みをするための鉄筋を入れ込む。

その間に私はミキサーでコンクリートを練り、卜伝君が運べるように用意する。
天場均しを終ったkiiさんが卜伝君を操縦してコンクリートの缶を移動させる。
二人で流し込み、空いた缶を持って私は走る。
その繰り返し...。
鉄筋を埋め込む 一回で一輪車一台分が練れるミキサーで、練った、練った、
合計33回。
用意していたセメントは全部使い切り、ヒヤッとさせられる。
砂の山もあらかた消えてしまった。

流し込んだコンクリートの圧力で、仮枠が一ヶ所はじけそうに
なったが、kiiさんの素早い応急処置で事なきを得た。
「よかった!!」と胸を撫で下ろす。
仮枠がバレたらどうしようと、それが一番心配だった。
日の暮れが早くなった。
最後のコンクリートを流し込んだ頃はもう薄暗くなっていた。後始末はライトのお世話になる。
腰をさすりながら、「終ったね!!」とkiiさんと作業完了の握手。
コンクリートが飛んで顔も衣服もひどい有様。お互いの姿に笑いこける。
基礎工事が終ったという安堵は、疲労感より勝っていた。
布基礎工事完了。左側は浴室、右側は洗面所 28日
前夜は簡単な食事を済ませ早々と就寝。
泥のように眠り、おかげで翌朝はスッキリと目覚める。
予定を完遂した肉体労働の後は、気分が爽快である。
疲れているはずなのに不思議である。

コーヒーを飲みながら昨日の作業の成果を眺める。
其々の思いに耽って口数は少ない。
三週間に渡った基礎工事はやっと完了した。

セメント工事から解放されると喜んだ私に、kiiさんは「甘い!!」と宣うた。
「この基礎の上に150ブロックを積むんですよ。ブロックを積むにはセメントや砂が不可欠でしょ。」

でもまあ、やっと一段階クリアーしたんだもの。そのことは暫し、考えないでおこう...。
【画像をクリックすると大きくなります。】

9月20〜23日
この飛び石連休にはなんとか基礎工事を完了させたいと、まとめて休みを取った。

セメントを扱う工事は天候に大いに左右されるが、何週間にも渡って持ち越したくはなかった。
ボイド管をめくる。 ところが雨...。
20日も21日も止み間もなく降り続いた。
雨の中でボイド管をめくる。
「粟おこしになっていなくてよかった!!」
バイブレーターがないので、コンクリートを流し込む際、カナヅチでトントンと辛抱強く叩いたのだ。
その甲斐あったとニッコリする。
それにしても、ボイド管はメーカーによって仕上がりにずいぶん差がある。以前にログの基礎工事をした時に使った残りを一部使用したが、その違いには唖然とさせられた。
雨に閉じ込められて、なす術がない二日間を過ごした。
朝の気温は12度。野迫川はもう冷たい雨である。長袖を着込んでトレーナーを羽織る。
夜になってようやく雨が上がる。
22日、夜明け前に降り出した雨にはゾッとしたが、朝方には曇天になる。
「コーヒーは頼んでいいかな??」
そう言い置いて、kiiさんは6時前から作業を始める。
我が家では朝のコーヒーはkiiさんの役目なのだが、その時間も惜しいほど、遅れた作業工程を何とか取
り戻したいとの一心である。
仮枠を作る。この部分が一番難儀した。 鉄筋を組み、コンパネや寸三角の木材を使って、布基礎のコンクリートを打ち込むための枠を作っていく。
その布基礎の上に150ブロックを積み上げるのである。
ここは浴室&洗面所になる予定。
墨出しをして鉄筋を組むのに午前中を費やす。
仮枠の工事は初めてなので、慣れていない。
おまけに土地はご覧の通り段差がある。
考え、考えながらの作業なので捗っていないのがありありである。
(この画像はクリックすると大きくなります)
お昼もかき込むように済ませ、気がつくと作業に戻っている。
時おり晴れて心地よい風が吹くけれど、今回は楽しんでいる余裕などないらしい。

コンクリートを練るまではと放免されて、私は畑や庭の仕事をする。
二人とも、
休憩もせずにとっぷり暮れるまで没頭していた。
限られた時間の中での作業だから、野迫川にいるとどうしてもオーバーワークになってしまう。
腰を折るようにして歩きながら、ここまでしなくてもいいのにねと苦笑いである。
朝も早よから...。 23日
今日も6時前から作業を始める。
天気予報があまりよくないので、降るまでに少しでも進めておこうという気持らしい
雨で予定が狂わなければ、コンクリートの流し込みは昨日か、遅くとも今日には完了している筈だったが、天候ばかりはどうしようもない。
せめて仮枠だけでも作り上げたいと、kiiさんは黙々と作業をする。
進捗状態良好。 斜面のヤヤコシイ部分をクリアーすると、後は慣れも手伝ってか進捗状態は目覚ましく、電動ノコギリやカナヅチの音がリズミカルにこだまする。
「進んでるね!!」
「ウン、今日はネ...。」
kiiさんの表情にも少しゆとりが出てきた。

曇天に時折青空が覗く。今日の予報のハズレは嬉しかった。
(この画像はクリックすると大きくなります)
私は相変わらずの庭仕事&炊事当番。庭仕事をしながらたくさんのムカゴに目を留める。
触れるとポロポロと落ちるほど熟れ加減も頃合いで、美味しいと聞くムカゴ飯を昼食に炊いてみる。
「キャッツ、美味しい!!」と私。
「フーン、確かに美味しいけれど、これは女三人組の好物の味わいですなあ。」とkiiさん。
女三人組とは私と娘とその娘のゆうちゃんのこと。
「これは、ゆうちゃんがさぞ喜ぶだろうね。」の言葉に乗せられて、昼からは草を引きながらも目は山芋の蔓を探し、ムカゴ摘みに勤しむ。

出来上がってホッと一息...。 4時過ぎには仮枠作りが完了。
「できたよ!!」の声が明るく響く。

じっと見入るkiiさんの姿が印象的だった。

コンクリートの流し込みは次回に残したが、それは已む無きこと...。
来週には何とか完了させたいものだ。
(この画像はクリックすると大きくなります)


                                                                                  
 週末開拓民奮戦記へ戻る  ハンドカットのログハウス(37)  夢の轍のTOPへ