週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(41)

【画像にポイントすると説明文がでます。】

11月(2)
8日(土曜日)の早朝から野迫川へ。
9日は選挙だったが、国民の権利の選挙投票権は事前に不在者投票にて行使してあった。

野迫川でミズナがしっかり育ってくれているおかげで、最近は食材の用意をあまり考えずに出かけら
れるのが嬉しい。
杉を切り倒して日当たりがよくなり、野菜がとても元気に育つようになってきた。
摘みたてのミズナを使った「ミズナ鍋」は、シャキシャキとしてたまらなく美味しい。
出汁
(だし)と柚子酢を効かせていただくこの鍋は、我が家の定番。

ミツバも、まだ食卓に上っている。
我が家のミツバ畑はおよそ畑らしくない。まるで雑草のごとくはびこり、見る人は唖然とする。
こぼれ種でどんどん増えるに任せてあるから、野生化して香りが高い。
私たち一家が好きな野菜のひとつでもある。
庭部分にも出没し始めたことは悩みの種なのだが...。
この二種がメインになって、現在の野迫川倶楽部の食卓を賑わしている。
私は野菜を収穫する時はなぜかいつも、「天の恵み、地の恵み...。」と呟いているらしい。
ブロック積みもいよいよ最後の段階。 「今回で何とかブロックを積み上げてしまいたい。」との思いで、
kiiさんは野迫川入りした。
雨が懸念されたので、休む間もなくひたすら積み上げる。
お互い暗くなるまで作業して、腰を叩きながら夕食の用意。
土曜日は何とか降らずにもち、翌朝は7時には作業を始めていた。
今にも降りそうな雲の流れに、猶予がなく勿論休憩もなし。
昼前にはやっと最後の段に取り掛かれた。
仕上げのモルタルを詰め込む時になって、kiiさんの表情にもやっと
ゆとりがでてきた。
天場均しの作業がまだ残ってはいるが、今回で大方のセメント作業
が完了した。
最後の段を積む(画像をクリックすると大きくなります。)
これでやっとセメントの工事から解放される。 ブロックの天場には150mmの木を回すそうである。
一体どういう恰好になるのかと怪訝な私に、「そのために、
こんな風にボルトを埋め込んで...。」
何度も説明されて、ようやく見えてきた。
そうか、ここに天井がついて、ここに屋根が乗って...。

「図面を書いたら後はお任せだからね。」
草引きに戻る私の背を、kiiさんのボヤキが追いかける。
お互いの作業のキリがついてからと、遅めの昼食をしているうちに雨。
積み上げたブロックにシートを掛けて養生する。
冷たい雨は止みそうにない。潔く撤退する。
この雨で木々もすっかり葉を落とし、冷え込みが加速するだろう。
「凍てつく前に片付いてよかったね。」心地よい疲労感で山を後にした...。

次回からは、いよいよ丸太での土台造りに取り掛かる。

11月(1)
「朋あり遠方より来る」
今回は10/31(金)の夕刻に野迫川入り。
富山の熊さん、きーさんご夫婦の野迫川訪問(1日〜3日)に、数日前からワクワクしていた。
日付けが変った頃に到着。
熊さんも奥さんのきーさんも、長時間走行でかなり疲れて眠かった筈だけれど、「一年ぶりだね...。」「ようこそ...。」の酒盛りになってしまった。
久しぶりの熊さんご夫婦の笑顔と酌み交わす酒の美味さに、心の中で、行き過ぎた一年をしみじみ懐古する。

今回はブロック積みはお休みにした。
遠来の頼もしい助っ人には、歓迎の意味を込めて、飛びっきりきつい作業を用意していたのである。
切り倒して葉枯らしにしてあった丸太を、山の斜面から引き出す作業...。
最長9メートル、太くて
重い丸太を引き出す作業は、労働もきついけれど危険を伴う。
葉枯らしにしておいた丸太を引き出す。沢山あるなあ...。   楽しげな作業ぶり
(画像上)
屈強の男ならではの最高の仕事。
(画像上)
kiiさんの表情にも楽しさが溢れている。

熊さんとkiiさんと卜伝君の絶妙のコンビネーション 荒仕事や道具に慣れている熊さんは、何も言わなくてもテキパキ。山の斜面はどんどん片付いていく。
流石、男二人+卜伝君の絶妙のコンビネーション。
kiiさんは、三日間で半分でも下ろせたら御の字だと思っていたと言う。
それが全部作業場に下ろせたのだから、どれほど嬉しかったことか...。
「アー、よかった!!」
心底ホッとしたkiiさんのひと言だった。
完了間近 相方が私では、何週間掛かったことか見当もつかない。
いかに筋肉モリモリで力こぶ自慢をしてみても、女性の中では強いと言うに過ぎない。
kiiさんの負担が大きいことは目に見えていたから、「助っ人熊さん」は、ほんとうに頼もしくてありがたかった。

丸太を引き出すための工夫も、二人寄れば何とやら...。
日ごろ黙々と孤独な作業を続けているkiiさんにとっては、有意義だったようだ。
山から引き出した丸太で土台作りを始める 丸太下ろしを終えて一休みしているのだとばかり思っていたら、突然のチェーンソウの音に吃驚する。
仕事に燃える男たちは、なんと土台作りに取り掛かっていた。
二台のチェーンソウが、野迫川倶楽部にエンジン音を響かせる。
片や薪作り、片やログ造りと、チェーンソウワークには慣れている二人だから、リズミカルな響きは共鳴して心地よい。
思わずきーさんと「いいわねえ、この音、この画...。」 
(ここまでの5枚の画像は大きくなります。)

熊さんは今、蕎麦打ちにのめり込んでいる。
「新蕎麦が手に入った。間に合ってよかった。」と、持参のそば粉で実演。
なかなか粋な雰囲気である。
私たちは居ながらにして蕎麦打ち見学。
いろいろの工程があり、其々にコツがあって難しそうだが、kiiさんもはまり込みそうで、熊さんの手順や道具をしっかり目に焼き付けていた様子。
分量の水を加えながら練りこんでいく
熊さんの
蕎麦打ちスライドショウ
出来上がった蕎麦は、香り高くコシがあって本当に美味しかった。

男たちはなぜ蕎麦打ちに惹かれるのだろう...。
工程の面白さと、美味しさだけではない何かがあるのかもしれない。
「ぼくの持っているセットでは、二人前が限度だね...。」
娘がプレゼントしてくれた麺打ち道具は、まだおニューのまま。
「とりあえずやってみれば? 大きい道具は徐々に買い足していけばいいんじゃない?」

まだその道に手を染めてはいないが、蕎麦にウドン、素麺、ラーメン、スパゲティ、麺類大好きの私は内心大いに喜んでいる。
「いつの日にか、蕎麦も自分で育ててみたい。」と、夢だけは大きい私である。
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今夜はモモ肉のステーキ ←    食後の談笑が続く。
呑んで食べて、笑って呑んで...。
落ち葉を集めるきーさん。 きーさんと私はオシャベリに打ち興じる。
お互いに仕事を持ち忙しい時間を過ごしているけれど、久しぶりに完全オフの心境。
散策をしながら話し込み、そして紅葉を楽しむ...。
栞を作る彼女を手伝って、落ち葉を集める。
木々の葉が赤く黄色く変化していく様を、こんなにジックリと眺めたことはなかった。
多忙は言い訳、自身に対する甘えかもしれないと、しみじみ反省するひと時でもあった。

サヨナラの日は雨でした。熊さんご夫婦とkiiさん。 楽しい時間はあっという間...。
サヨナラの日の雨は、女二人で降らせたのかもしれない。

熊さん、きーさん、いろいろありがとうございました!!
実り多い三日間を過ごさせていただきました。

また会う日まで!!


                   
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