週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(42)

【画像にポイントすると説明文がでます。画像をクリックすると大きくなります。】

12月
ずっと日帰りの週末が続いている。
作業はスローペースだが、それでも少しずつは進んでいる。

朝晩は相当に冷え込むが、晴れた日中はとても暖かい。
日受けで北側に山が控えている野迫川倶楽部は、冷たい風が吹き降ろすことがない。
見越していたのか偶然か、この地を選んで断固引かなかったkiiさんには感服している。
お馴染みの伐採風景(1)


材が足りなくなってきたので、伐採を間に挟む。寒の間に少しは乾くだろうと...。
卜伝君を相方に、kiiさんは一人で伐採作業を続けている。
私は、このところ毎回は行けないが、行ける時は山の斜面の草刈りや整備。
それもこれも追われる作業なので、寡黙にそれぞれの作業をこなしている。
お馴染みの伐採風景(2)
杉の木立の中にも隙間無く植物が植え込まれているから、伐採作業も大変である
「アッ!!」と叫ばれるたびに、吃驚して山の斜面から走る。
怪我をしたのかと思って息せき切って走る。
「アッ、ごめん。アジサイを傷めちゃった。」「アッ、ミズナを掠めてしまった。」人騒がせなkiiさんである。
考えてみると「ア〜、傷めて...。」と後で責められないようにとの予防線かな?
そのたびに50m走をさせられるほうは、たまったものではない。
メガホンか拡声器が入用である。

あと何本?? 出来上がった土台が並ぶ。(画像をクリックすると大きくなります。)
嬉しい光景である。5本が完成したけれど、まだ先は長い。
「あと何本要るの?」の問いかけに、「まだまだ序の口だよ。」
今回のダイニング部分は、気が遠くなるほどたくさんの細工をしなければならないらしい。

継続は力かな...。
もう一歩、もう一歩と言いながら、冬の間もコツコツと作業を続けていることでしょう

11月(4) 22昼〜24日昼。
「今年最後の連休だ。頑張らなくっちゃね。」と、意欲満々で野迫川入りした。
夕方は4時半ぐらいに、朝は6時半までは薄暗いので、稼働時間が少なくなっている。
朝の気温は−3度。
先日来石油ストーブのお世話になっていたが、小型のものでは流石に寒く、大型のものと入れ替えた。
それでも、天井板が貼れているだけで、昨年の冬とは段違いの暖かさ。
一度温まるとゆっくりと放熱してくれるので、ログ内は過ごしやすい。
「ありがたいわねえ...。」と、しみじみしている。
電動の丸鋸で細工をしている 電動の丸鋸で細工をしている。
「コーヒーとか頼んでもいい??」
「寒いなあ...。」とストーブの前から動かない私に言い置いて、kiiさんは陽が上がる前の一仕事。

「身体が目覚めていないでしょ。もう少しゆっくりしたら??」
との悪魔の囁きには耳を貸さない。
「私は燃えているんです。」ですって...。
そうなると罪悪感を感じるのよね。
引きずられて私も始動する。
これがkiiさんの「手」かもしれない。
三本目の土台が完成した 三本目の土台が完成した。
基礎のスパンは1mの部分と1.2mの部分があるので、寸法取りが複雑なようだ。これも責任は私にある。

ログの延長にキッチンを作る予定で、その基礎は既にログの基礎と一緒に出来上がっていたのだが、「ダイニングキッチンにしよう。広めがいいなあ。」とサッサッと図面を書き替えてしまったのだ。
それで、追加の基礎工事などという厄介なことが生じた訳。
それも「どうしてもここまでにしてね。」との図面の関係上、追加工事は止むを得ず1.2mスパンになったのである。
ログを何棟も作って繋ぐことも考えないではなかったが、追加工事を選択したのはkiiさん。内心は悪いなあと思っている。
丸太を平面カットしている 加工中の左右の二本が繋がれて一辺になる
続いて、土台作り(1) 続いて、土台作り(2)
DKは6.6m×4.7m。右側の画像は6.6mの部分用。加工中の左右の二本を繋ぐことになる。

休憩をしたがらないkiiさんを、無理やりお茶に誘う。

コーヒーも庭を散策しながら...。
「なんだか、あずましくないね。」
これは落着かない、くつろげないなどの意を持つ私の生地の方言だけれど、こんな光景にはピッタリの言葉。
庭を一巡りもせずにkiiさんは作業に戻る。
彼の頭の中は数字と工程でいっぱいで、日中はどうもくつろげないようである。

暮れると、最近極めて弱くなってきたお酒を楽しみながら、ミズナの鍋をいただく。
霜が当たって旨味を増したミズナは、もう少しの間、野迫川の食卓を賑わしてくれるだろう。
手前のチェーンソーは私の愛用機 薪作りに精出している。(この画像は拡大リンクしていません。)
kiiさんのチェーンソーの手前にあるのが私の愛用機。
私は放置されたままになっている、たくさんの丸太や枝の処理を重点的にしている。
これがまた、あちこちにすごい量なのである。必死に作業しているのだが一向に減らない。
枝は灰にして庭に撒く。丸太は輪切りにした後、割って積み上げる。
私のチェーンソーでは右の画像の丸太ぐらいが限度で、山になっている直径30cmほどの丸太はかなりてこずりそう...。
その処理を済ませるとかなり広いエリアが確保できるのだが、先が見えない話である。
時折気分を替えて、山の斜面のススキやイバラを処理する。
自生する新しい仲間を発見して、嬉しいひと時である。

11月(3)
雪が降り出すまでに、凍りつくまでに...。 二人とも各々の作業に黙々と精出している。

仕事の都合で16日は日帰りの開拓民だった。
往復の時間(4時間弱)を考えると、日帰りの日は大した作業はできないけれど、「それでも少しでも前進するでしょう...。」と空模様を気にしながら出かける。
ブラッシング ブラッシング(画像をクリックすると大きくなります。)
丸太を平面カットした後、そのカット部分を滑らかに整える
ためのチェーンソーワーク。
ログ造りのための必須作業だけれど、数をこなしたおかげか、ブラッシングはずいぶんスムーズに捗るようになった。
丸太に取り組み出したkiiさんはいかにも楽しそうである。
「土台と大引きを作って、母屋に棟木に桁に柱でしょ...。」
工程の多さとスパンの変更で、「ああ、ややこしい。」を繰り
返している。
土台と大引きを作る 土台と大引きを作る(画像をクリックすると大きくなります。)
丸太はダイナミックさを生かすために上下の面だけを加工し、側面をそのまま使用する。これは先のログ造りと同様の仕様である。土台も大引きもこのタイプにする。
角材に加工すれば後の作業がやりやすいのだが、できるだけ丸太をそのままの姿で生かしたいというのが我が家流。
ひねって曲がって太さもマチマチの丸太は、やりにくいこと
この上ない。
「どう利用しようか...。」と一本ごとに悩むkiiさんに「個性があって面白いわね。」と、ひと言を進呈する。
ホゾ穴を開ける ホゾ穴を開ける(画像をクリックすると大きくなります。)
ドリルとミノを利用してホゾ穴を開けている。
「ここに柱が納まって、ここが入口になって...。」
出来上がりを想像して眺めるのは楽しい。
作業しているkiiさんは真剣そのものだけれど、総監督は気楽だ。
この分野はkiiさんの独擅場。
私は時おり覗いて勤務評定(?)するだけで、作業の音を聞きながら
庭仕事に頑張っている。

山の日の暮れがとても早くなった。
夕方5時になるともう薄暗くて、終いごともできない。
外での作業が出来るのもあと僅かなことだろうと、気持が急かされる。

                   
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