週末開拓民奮戦記
ハンドカット&セルフビルドのログハウス(45)
2004年3月(3) 13〜14日 先週末は久しぶりにいいお天気になった。 春めいてくると、樹木の移植などにますます気持が急かされる。 日が長くなってきた上に、簡易台所のおかげで、時間いっぱい作業ができるのが嬉しい。 もっとも、そのおかげで疲労感は大きいのだが、心地よいと思うことにしている。
浴室部分には南面に嵌め殺しの透明の窓が入る予定だが、取りあえずはコンパネを打ちつけた。 窓はこのブロック造りのサニタリー・浴室部分のみサッシを使うが、ログやD.Kは木で手作りの予定。
「ここの辺りにはどんな野草を配しようか。」などと考えるのは後回し。 目先のことをこなすだけで精いっぱいの有様である。 こんな斜面が高さ約13mで長さ60mも続いているのだから、ため息ものなのである。 一部分だけができたけれど、先が長い...。 要所要所に樹木を移植しながら作業を進めるが、斜面の作業は思ったより体力を消耗する。 夕刻近く、小梅の移植をする頃には二人ともフラフラになり、今回はこれにて打ち止めにする。 ジャングルになっている育樹エリアは一昨年からの懸案事項だったのだが、この二年間は春が異常に早く、例年3月末から4月中旬にかけて行なっていた移植の作業が完了できないままに暖かくなっていた。 倶楽部では、凍結が早いためか秋の植樹はどうも樹木のためによくない。 何度かの体験で、春までの一ヶ月が一番の適期だとは会得したのだが、予測できない異常天気に振り回され、挙句、樹木は移植しそびれて育樹エリアでスクスクと育ってしまったのである。 この二度の春に懲りて、今年は三月に入るとすぐに移植作業に着手した。 育樹エリアは大きな穴が幾つも開いて、見通しがよくなった。 庭造りに思うことだが、「足すことよりも引くことが大切で、それがまた一番難しい。」と...。
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2004年3月(2) 先週の休日が振替になり、週の半ばに野迫川に行ってきた。 平日に行くことはなかなか叶わないが、集中できるので作業が捗る。 朝晩は相変わらず気温がマイナスになり冷え込むが、日中は暖かで、歩みは遅いが少しずつ春の気配を感じる。鳥たちも賑やかに囀りだし、「光の春」に心が弾む。
「D.Kができるまで、お世話になります。」私はピョコリと頭を下げての使い初め...。 そんな私をkiiさんが見ていたらしく、「早くこうしてあげたらよかったね。」 開拓民の作業にも流れがあるのだからそんなことは考えてもいなかったが、ずいぶん楽になったことは事実。嬉しい私の心が通じるのか、kiiさんの表情もほころんでいる。 今夜のメインはフキノトウの天ぷら。 大きなほっこりしたフキノトウが沢山採れて、早春の香りが食卓を賑わす。 翌日のkiiさんは、既存の道具小屋&トイレの窓を外す。 この小屋をD.Kが呑み込む形になるので、使用していた窓を浴室・サニタリー部分に利用しようという訳。 小屋にはコンパネを張ってあったのだが、ビスの上に外装材のボンドがこびりついてねじ山を潰してしまい、外すのに結構な時間を要してしまう。 できれば簡易台所の窓だけでも入れたかったらしいが、これは次回に持ち越す。 私は朝から樹木の移植に取り組んでいたが、遅めの昼食の後は、kiiさんも一緒に大きいものを移動する。 春の訪れが昨年よりもまだ早いとの予報で、移植の作業も急かされているのである。 育樹園(?)から掘り起こし、計画に沿って植え込むのだが、段差や傾斜の土地を大きな樹木を抱えて移動するのは、半端な労働ではない。 育樹園とは聞こえがいいが、開拓がこれほど長びくとは思わずに買い込んだ苗木が、そこで大きく育ってしまっただけのこと。 この2月で開拓当初から丸7年を経過したが、樹木の生長は思いのほか早く、そのエリアはジャングルの様相を呈するに至って、切り開いた所へと順次移植を進めている。 小さなものは私で何とかなるが、大きなものになるとkiiさんの助けなしでは無理なのである。 それにもうひとつ。沢山の樹木の移植をしてきたおかげか、kiiさんが手を付けたものは成功率がとても高い。移植にも素人なりに彼のノウハウがあり、「適性があるんじゃない?」と私は数歩譲っている。 “これは、気分よく手伝わそうとのkeiさんの手である。”とkiiさんは疑うが、決してそんなことはない。 梅3株、プラム1株、椿を10株移植。今回はkiiさんの待望のヒメコブシが桃花、白花各1株仲間入りしたが、そこまででタイムアップ。私たちも息切れしてへばってしまう。 疲れたけれど心地よく、その夜は夢の一つも見ずにぐっすり眠った。 人力のみの原始的な労働も、人には時には必要なのかもしれない。 梅8株、プラム2株、サクランボ、リンゴ、アンズ、カリンなど10株、椿14株、ウツギ、ニワウメ、ニワザクラ、スモークツリー、土佐ミズキ、アメリカアサガラ、アジサイなど30株、以上がまだ移植を待っている。 いずれも大株である。 数度に分けて移植しなければならないけれど、kiiさんの手隙を見て、三月中にどこまでできるか...。 |
2004年3月(1) ニ個一コンビの私たちは、片割れが体調が悪いとどうも調子が出ない。 私がようやく体調が戻ってきたせいか、最近のkiiさんは作業意欲に燃えている。 だが、そのkiiさんも天候には勝てない。 スッキリしない週末が続くと、余裕を持っていた予定もたちどころに狂ってしまう。 野迫川は雨、霙、雪の目まぐるしい一日だった。
先日、奈良のT君が立ち寄ったのを幸いに、「よく来てくれました。顔を見たら只では帰さぬ。」と、卜伝 君のオイルチェンジをして貰う。 彼はメカに強くkiiさんのよきアドバイザーである。 卜伝君には棟上げで威力を発揮してもらわなければならないから、いい機会だった。 再び快調に動き出した卜伝君の、リズミカルな音が山に谺している。 足元が濡れて危うくなってくると、外部での作業は中止してサニタリー部分の足場解体。 内部にギリギリに組まれた足場は、バラシに手間取る。 ダイニング部分の建築が最優先事項なので、このサニタリー部分はその完成後に再び手を付けることになるのだが、浴室部分((2)の画像で左ブロック部分)は棚を作って当座の道具部屋として使い、洗面部分には仮の床を作って簡易の台所を作ろうという構想が急遽まとまる。 食事の用意をする度、野外の調理場からログまで、20mほどを何度も往復するのは大変だということ に、ようやく気付いてくれたらしい。 凍えるような水の冷たさよりも、そちらのほうがかなり堪えていたのである。 ガラスを戴いた先で、不要のプロパンのガス調理器や流し台も頂戴してきた。 D.Kが出来上がるまでの長丁場、重宝するに違いない。
ダイニングの床が張れたら面一(ツライチ)になって、もっと動きやすくなるだろう。 磨いた流し台を運び込んで「ウン、バッチリ!!」 給水や排水工事などは部品が不足するために次回に持ち越されたが、これで私が諸作業に使える時間が大幅に増えることは言うまでもない。 今回は知り合いからの差し入れのグラスウールも運ぶ。こんな差し入れはほんとうに嬉しい。 グラスウールも7坪分になるとズッシリと重い。 ダイニングの壁面の断熱に利用させていただくことにする。 |