週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(48)

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2004年6月(2)
このところ町での所用が続いていて、週末日帰りの開拓民は作業がさっぱり進んでいない。
それも、雨に祟られてばかりいる。

20日(日曜日)も雨。
風呂ハウスで作業中のkiiさん どうせ大した作業はできないと早々に諦め、先に貰っていた風呂ハウスを使えるようにしようということになった。
汚れを落とし磨くのは私、kiiさんは風呂釜を取り付けるための諸々の作業&給水工事。
左の画像は、狭い浴室内に入り込んで、汗だくのkiiさん。
私はエイッとばかり裸足になってジーンズの裾を捲り上げ、お掃除おばさん。冷たい水が心地よい。
汚れに汚れていた風呂&シャワーハウスだったが、見違えるように綺麗になった。
このハウスはコンパクトながらなかなか使い勝手よくできていて、感心させられる。
奥は湯船と洗い場 奥には湯船と洗い場があり、窓やタオル掛けも付いている。(左の画像)
中のドアには空気抜きのガラリまである。
手前のスペースが脱衣場。ここは結構広く、バスタオルなどを置く棚もあるのが嬉しい。(右の画像)
脱衣場にも簡易だが窓がついている。
電灯の設備も勿論あるが、点くかどうかはまだ確認していない。
手前は脱衣場
「脱衣場をこんなに広く取らないで、洗い場をもう少し広く作ったほうが使いやすいのに。」とは思うけれど、あるだけで幸せなのだから贅沢は言えない。
「そんなことを考えたらバチが当たるよね。」と苦笑いする。

足りない部品を調達して、マットや風呂椅子を用意したら近々風呂ハウスの初焚きである。
ドラム缶風呂は風情があっていいものだが、作業中に何度も火加減を見に走らなければならないのがなんとも大変であった。
これからの季節、作業後に簡単に汗を流せるのがほんとうに嬉しい。
ただ、これはあくまで簡易のもの。
コントローラーなど付いていないから、“沸かし過ぎにご注意ください”である。
それでも、開拓民の生活もずいぶん進歩したものだと、綺麗になった風呂&シャワーハウスに暫し眺めいる私たちだった。

一段落してから畑や庭の見回り。
スナックエンドウが収穫できるようになった。
(これはゆうちゃんの大好物。無農薬で安心印のスナックエンドウは、早速 宅急便で送る。)
チマサンチュも育ってきたし、モロヘイヤやキュウリ、ミニトマトももうすぐ収穫できる。
ズッキーニもカボチャも元気がいい。
カボチャは高価な交配種はなぜか発芽に失敗し、見た目の悪い原種(河内のものらしいが品種名が判らない。ブドウ屋のおばちゃんから買ったカボチャだったので、店を出し始めたら聞いてみるつもり。)は恐ろしいほど芽が出た。100本ではきかない。
kiiさんにどうして全部播いちゃったのと呆れられているけれど、カボチャを煮る時に「完熟のいいカボチャみたいだからひょっとして...。」と残しておいた種が、まさかほとんど発芽して立派な苗になるとは思わなかったのだ。

何本か芽が出たらいいなと思って、それもかなりいい加減に播いたものが元気なのだから不思議。
最近思うことだが、野菜もあれこれ手を加えない昔の品種を育ててみたい...。
交配を重ねて強くするのもいいだろうが、昔の味わいがなくなっている品種が多いような気がする。
「在来種の自家採種」に、今とても興味を抱いている。

「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく。」この言葉はゲーテだったか...。
この言葉が心にきつく響いている。

2004年6月(1)
この二ヶ月あまり、週末になると天候が崩れて、週末開拓民の熱意は水を差されてばかりである。
棟上げに向けて気持ばかりが焦るけれど、天候だけはどうにも致し方なく、空を見上げてはため息をついている。
それにしても、昨年といい今年といい、一番作業の捗る時期に辛いことである。
そんな訳で、作業はあきらかに滞っている。
右端が大黒用の通し柱 作業は滞っているけれど、それでも雨を避けながら少しずつ柱の刻みが進んでいる。
リビングキッチンの大黒柱も刻みが完了した。(右端のもの)
天然絞りの入った大黒柱はなかなかいい雰囲気である。
リビングキッチンはログに繋ぐ形で軸組み工法を採用するので、柱がかなり多くなる。
それも私の要望で、丸太の風合いを生かした軸組み工法を採るので
(ログのロフトと同じような作りになる。)、刻みも大変そうである。
一つや二つは間違っても仕方がないぐらいの複雑な刻みを眺めながら、棟上げでアクシデント発生などということもありうるだろうと密かに案じている。
小雨の日は畑作りや草引きに出るけれど、山の雨は冷たくボトボトに濡れての作業にも限界がある。
自分に甘くするとツケが大きくなる。それでも雨の時はついつい甘くなる。
そしてまた、生い茂る草を眺めて後悔することになるのだが...。
今日も雨とて、野草や山菜を摘んできて、美味しいものを作り熱燗を楽しむことにする。
二人ならこんなときもすぐにまとまる。
この季節は山蕗も美味しい。たくさんの蕗を自分流に煮含める。
庭のそこここに出る蕗をセッセと移植してまとめたおかげで、敷地内で調達できるほど増えてくれた。

今私たちが凝っているのがスギナとコンフリー。美味しさにハマって、あれこれと調理を楽しんでいる。
スギナはご飯にお茶、天ぷらなどにする。
コンフリーはポテトと相性がよく、ポテトサラダにすると好評で、スギナご飯とともにお替わりの声があがる定番メニューになった。
以前から野草に興味はあったのだが、スギナに触れて、そこから食べられる野草にのめり込んでしまった今年は、私にとっては「野草元年」と言えるかもしれない。
食べられる野草を調べてみると、私などまだまだ扉に手を掛けただけの未熟者で、この世界も奥が深いと実感する。
野草に目覚めてからは、山を見る目もかなり変ってきた。
大きな宝石箱を抱えているような思いで眺めれるのは、成長した証しかと自分自身を誉めてやりたい
気もする。

最近は野菜をまったく用意せずに野迫川入りし、山の恵みを利用させて戴く、そんなことを遊びのように楽しんでいる。地場の自然を存分に味わえる幸せは、他に例えようのない喜びである。

チェーンソーで縦割りをするkiiさん 手押しの電動カンナを掛けるkiiさん
柱作りに精を出すkiiさん・左はチェンソーで縦割り、右は手押しの電動カンナを掛けている。
チェーンソーでブラッシングが終った状態 代わり映えのしない光景が続くけれど、今はこんなことばかりしている。
これはチェーンソーでのブラッシングを終えたもの。
滅多なことでは誉めない私も、チェーンソウでDログを作ったりブラッシングをしたりには、いつも凄いなあと思う。
「kiiさん、腕を上げたね!!チェーンソーはいいものではないけれど、これは腕だと自信をもっていいよ。」
「H」でも「S」でもないけれど、8年目になるチェーンソーは故障知らずで、今日も快調な音を山に響かせている。

チェーンソーワークの後、手押しの電動カンナを掛けて仕上げる ←チェーンソーワークの後、電動の手押しカンナを掛けて仕上げたもの。 ↓柱と梁の完成品柱や梁の完成品
柱は9本(うち一本は大黒用の通し柱)、梁が5本完成した。
残る柱は4本、梁が7本、桁が2本、それが完成したら第一次の組み方をする。
第二次の組み方が棟上げになる。
第二次用には、棟木や母屋のほかに束は18本も作らなければならない。
頑張ってね!!kiiさん...。



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