週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(64)

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2005年7月
屋根工事を梅雨までに”の思いは何処へ...。
春以降、野暮用ばかりが続いて週末が潰れることが多く、予定とは裏腹に作業は大幅に遅れしまった。
町の住いの転居やそれに伴う雑用に追われ、この調子では晩夏に屋根工事をすることになりそうだと、ゾッとしている。
合言葉はいつの間にか、「梅雨までに...」が「秋の台風シーズンまでに...」に変更されてしまった。

晴れた日は屋根工事の関連作業をし、雨の日は屋根下でできる作業をしている。
「進まないね。」とkiiさんは呟くが、地味な作業ばかりだから目立たないのだもの。仕方がないと思う。
雨の日の作業もワンサとあるのだけれど、今は、娘親子の帰省に備えて床板を張る作業が急務。
床はアナボコだらけなので子ども達が落ちかねないし、どうせ張るのなら仮ではなく本張りにしようと、手持ちの材料をあれこれ算段しながら進めている。
ブランコのベンチ 雨の日はこんなことも...。
ゆうちゃんとの約束だった、ブランコのベンチができあがった。
家造りとはまた違った楽しさがあるようで、こんなことをしているkiiさんはいかにも嬉しげである。
木立の中のブランコに揺られて、歓声をあげる子どもの声を聞きながら、相好を崩すkiiさんの顔が見えるようだ。
たえこさんからのプレゼント 知り合いのたえこさんが、「庭で溢れてきたので...。」とたくさんの苗を届けてくれている。
画像は仮植えした苗。
丹精こめた苗はどれもしっかりとしていて、愛情をかけて育てたことが偲ばれ、作り手の顔を思い浮かべながら本植えするのも楽しいひとときである。
この他にもいろいろと苗を戴いているが、花の好みが似ているのが何よりも嬉しい。
たえこさんの花好きは相当なもので、私は脱帽している。
顔を合わせて植物の話をしだしたら、お互いに止まらない。
「たえこさんと花の話をしている時は、ほんとうに楽しそうだね。」とkiiさんが言うけれど、確かにそう自覚しているなぁ。
今夜はバーベキューもどき 晴れ間があって風の無い夜は、木屑や杉皮を燃やしながら、食事は必ず外で取る。
木屑などを減らしたいこともあるが、何よりも外は気持がいい。
居酒屋風にあれこれ小皿を並べてみたり、バーベキューもどきにしたり..。
「そと食?うち食?」「もち、そと食!」
我が家の場合、この「そと」は野外の外を意味する。
ところで、昨年はじめて、ログ下の池端のカエデにモリアオガエルの巣を見た時は、ビックリしてたまげたものだった。
突然出現したメレンゲ状の卵隗は、とても不気味だった...。
それが、人間というのはゲンキンなもので、モリアオガエルの卵隗と知って以来、不気味ではあるけれども妙な親しみを感じている。(親しみを感じてはいるが、触ってみる気はまったくない...。)
モリアオガエルは開拓の当初から谷の奥に居たのだけれど、それが一昨年ぐらいから池端を住処とするようになったのである。(特別記念物に指定されている地方もあるのだそうな...。)
今年はまだ卵隗にお目に掛かれず、ガッカリしていたのだった。

それは日曜日の早朝、発見を知らせるkiiさんの大声と共に突如目に飛び込んで来た。
前日に、前述のたえこさんと庭めぐりをした折にはまったく気付かなかったので、一夜のうちに突如出現した感がある。
卵隗を見守るモリアオガエル その卵隗を見つめている様子から、多分親ガエルなのだろう。
近寄っても逃げもせず、一心に見守っている風情であった。
親というのはこんなもの。
親が親であることの本文を忘れるような事件が多い、昨今の人間世界を思うと、こんな姿が神々しくさえ思える。
ところで、この卵隗には続きがある。「モリアオガエル劇場」は近々に。
カエルはこのモリアオガエルが倶楽部の主だが、もう一種類、私たちの大好きな鳴き声がある。
それはカジカガエル。
本流のずっと下の方では鳴き声を聞いたことがあったが、連れて来て放す訳にもいかず諦めていた。
それが今年、倶楽部の前の小さな渓でカジカの声を聞いたのである。
「聞きたいと思っているからほらごらん、空耳だ、気のせいだ。」と思ったのだが、訪れた知人が「あの声は何?」と言うに及んで、ついに私もカジカガエルの存在を確信したのである。
ヤッタァ、カジカガエルが渓に棲みだしたよ!!
ヒグラシとカジカガエルは、山ならではの耳のご馳走。
あの涼しげな声を聞けるなんて、ほんとうに嬉しい...。
ヒグラシもひと声、ふた声と鳴き出している。

ホタルが舞って、山の夜はそぞろ歩きも楽しい。

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