週末開拓民奮戦記

2002/01/19〜20 ハンドカットのログハウス(16)
 

1月19日

伐採作業をするまれびとさん。 伐採作業をするO氏と見守るkiiさん。
まれびとさんとその友人のO氏が応援に来てくださった。
今回の作業は、、棟を上げるための足場丸太の伐り出しや皮剥きが目的。
まれびとさんは、チェーンソーを持つ手もなかなか様になってきたようだ。
「休憩時間を短くして、もっと作業をしましょう。」との有難いお言葉に甘えて、次回は
作業リストが真っ黒になるほど書き込んでお待ちしよう...。

ウィンチの横でワイヤーを巻くまれさん。 kiiさんの伐採方法は、ウインチを一点
に据え付け、目的の木まで滑車でワイ
ヤーを迂回させるので、伐採した木が
倒れる方向に人が居なくて済む。
プロから見ると非効率的なこの方法は、
今までの伐採作業の中で、私を直撃し
かけたことが何度かあったことからの、
安全性重視の策である。
アクシデントの回避には、実に有効で
ある。

写真はウインチでワイヤーを巻き取る
まれびとさん。

ささやかな夕餉。 時計の針は6時15分。
外はもう真っ暗...。
日の暮れとともに、ズーンと冷え込んで
くる。
KUさんご夫婦も交えて早めの夕食。
冬は鍋が大好き。
凍てる野迫川では特に多くなる。
今日はお昼はおでん、夕食は豚汁ウド
ンの鍋シリーズ。
ログの中の気温は1800Hで20度、足
元は4度。ファンは必須のようだ。

この後、まれびとさんとO氏は帰路に。
O氏は4時間の行程を帰られる。
お疲れ様でした。



1月20日

1月20日、吉野&keiの伐採作業後。

「お手伝いを...。」と愛用のチェーンソーを持って寄ってくださった吉野さん。
私たちの植物の師である。
ログに掛かっているkiiさんには頼めないと、私を助手にして伐採作業。

私は伐採する木をロープで引く係り。
少し離れた木にロープを括り、ぶら下がって倒す。
枝に掛かって倒れない木は渾身の力を込めて揺さぶる。
プロの吉野さんから見ると何でもないことなのだが、倒れてくる木から逃げる瞬間が実に
恐いのだ。
逃げ遅れて右手を木に挟まれかかる場面もあり、背筋を冷や汗が流れる。
この先二ヶ月は多事につき忙しい。
「右手は困る。」と恐怖が頭を過ぎる。
一昨年のkiiさんの怪我で、一瞬の間に何処で何が起こるか判らないということを身をもっ
て体験したけれど、特に山仕事は常に危険と背中合わせ。
自覚してかからなければならないと思い知らされる。

ロープの結び方をいろいろ覚えたいと思っていたが、解けない結び方二種類を教えていた
だく。何度も失敗しながらようやくマスター...。
これをしっかり覚えないと、命取りになると思えば必死になる。

吉野さんはエネルギッシュな方でよく動かれる。
休憩の時間もじっとしていない。いつも時を惜しむかのように何かされている。
山で生活することは、決して生半可な気持では立ち行かないと、拝見していて思う。
自然から気をいただいて安らかにはなるけれど、厳しさを抱えて生きていかなければなら
ないのだと...。
それを選択した私たちの将来の姿を、ふっとその向こうに見る...。

午前中1時間、午後3時間で50本の伐採は、素人の私にはかなりきつい作業だった。
山の斜面をロープを引きずりながら登ったり降りたり、ヘルメットはズレて傾き、髪や顔に
は杉皮や枯葉がへばり付き、滑り、転び身体中泥だらけ。
空気は冷たいので、鼻の頭は真っ赤で鼻水もタラリ...。
人様に見せられる図ではないと苦笑いする。
かなり疲れてヘトヘトになったけれど、いい体験であった。

翌日の奥様との電話では、「keiさんがよく動くと感心していましたよ。ほんとうに頑張り屋
さんだと...。」
吉野さんは山仕事になると鬼軍曹に変身する。
いくらおだてられても、このお役はもう遠慮しておこう...。
  

                                                                                  
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