週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(21)

7月27日

酷暑の町に居たたまれず、金曜日の夜から野迫川入りしていた。
夜の走行は疲れるかと思いきや、涼しくって気持がいいし意外と楽...。
暑い間はこのパターンもいいかもしれない。
明け方は、またまた寒さで目が覚めた。鳥たちやヒグラシより早い目覚めである。
日中は野迫川もかなり暑く、強烈な太陽光にクラクラする。日向の気温は37度を指していた。
「夏は早朝から一仕事、日中はゆっくりするのが一番いいよ。夕方にまた一仕事さね。」
村の人がそう言いながら通る。私たちも先週からこのパターンを取り入れている。
27日は仲良しのまれびとさんが応援に来てくださった。
曲面カンナでホゾ辺りを削る 曲面カンナで下部のホゾ辺りを削るまれびとさん。

平面のプレナーとは勝手が違い、最初は途惑いがあった
ようだけれど、そこのところは勘のいい若手。
すぐに慣れてスイスイ。
ロフトの柱は平面カンナも曲面カンナもみんな彼の労作で
ある。

これでロフトの柱が全部出来上がった。
ロフトの柱を上げる 屈強の若者がいるのだから、力仕事を頼まない手はな
い。出来上がった柱を、ロフト部分に上げることにする。
ユンボで上に上げるkiiさんと、上で誘導して取り込む
まれびとさんの息もピッタリ。

「ユニックなしで建てているんですか??」
人は一様に、呆れたような、そして哀れみを含んだ表情
をする。
ご老体の卜伝君と電動のウインチと脳みそを駆使して、
kiiさんはログ造りをしている...。
知恵と行動力は、山暮らしの必須条件なのだ。
上で誘導・取り込むまれびとさん Tシャツの濡れ方が陽射しのきつさを
物語る。
汗を滴らせながら作業に励む。
柱がロフトに積み上げられた ←柱がロフトに積み上げられた!!
感無量...。
「もうすぐだね。ここまでが長かったね...。」
まれびとさんと言葉を交わした後、様々な思いが溢れて
言葉が詰り、暫し沈黙する。
まれびとさんが初めて野迫川を訪問してくださったのは、
去年の9月下旬。
それからでも、もう一年近い時間の経過がある。

棟木を屋根勾配に合わせてカットし、上下のホゾ穴を掘っ
たら棟が上がる...。
極楽ドラム缶風呂に入るまれびとさん 極楽ドラム缶風呂でご満悦のまれびとさん
大汗をかいた後は庭のドラム缶風呂に入る。
だんだん要領がよくなり
、アイデアも生まれて、水を張る
のも沸かすのも手軽にできるようになってきた。
一仕事が終る頃には湯が沸いているという図式も
バッチリ。

冷たいビールで喉を潤し、会話も弾む!!

当日の様子はまれびとさんのHPに詳しい。
まれびとさんのHPへ

7月中旬〜下旬

立て続けに来た台風の被害は、野迫川倶楽部では軽く済みホッとしている。
それでもベースキャンプが15度ほど傾いたのと、谷から引いている水が完全に止まってしまった。
飲料水は湧き水を利用しているけれど、洗い物などが困ってしまう。
ヤブ漕ぎをして詰った個所を探索し、バルブをつける。泥と空気とサワガニがたくさん入っていた。
これが結構きつい作業であった。雨の後はこまめに点検しなければ、再びこういう事態が起きかねない。
水では苦労させられるなあ...。
卜伝君に助けて貰ってベースキャンプを補強した後、ログに一ヶ所窓を開けた。
空気が抜けて、とても過ごしやすくなった。
テラスの前の白樺を覗きながら、「早く開けたらよかったね...。」緑が見えるのは気持がいいものだ...。
こんな作業で一日が終ってしまった...。
ログウォールに窓を開ける スダレをかけて...。
ログウォールに窓を開ける...。 網が見当たらず、有り合せのスダレを掛ける。
結構いい雰囲気...。
梅雨が明けた近畿はピーカンで、野迫川も相当に暑い。
でも、木陰に入ると涼やかな風が吹き抜ける。木陰で昼寝ばかりもしていられないが...。
汗をたっぷり流して作業が一段落したら、ドラム缶風呂が待っている。これが何よりのご馳走である。
ドラム缶風呂からカンパイ!! ブタのスペアリブ、手作りウインナー、ニシン、トウキビ、ジャガイモ・・・。
ドラム缶風呂からカンパイ!! スペアリブもいい焼き加減...。
二人が一番好きな時間は薄暮。なぜか、暮れなずんでいく山を見上げている時が心穏やかになる。
最近その時間を楽しむこともなくなっていた。
バタバタする割に作業が進まないから、余計バタバタする。挙句、些細なことでぶつかリ合う...。
「いけないね...。」と反省することしきりである。
二人だからって、休憩と食事の時間も、噛み噛みではなくちゃんと取ろうよ。暑い時には昼寝の時間も少
しは取ろうよ。ドラム缶風呂も沸かそうよ。
やわらかいお湯に浸かっていると、些細なことでイラついていた自分が馬鹿げてみえるから不思議。
踏み止まって一呼吸して考えたら何でもないことなのに、余裕の無さがそれさえ見えなくしてしまう。

一風呂浴びてさっぱりしたら、冷たいビールをキュッっと一杯。
今日のタレは美味しいね。毎回味が違うのが家庭料理の妙である。

後日
空気が通るようになって過ごしやすくなったのはいいのだが、明け方の寒さには震えてしまった。
スダレでは外気温と同化しているのだから、キャンプをしているのと大して変わりがない。
二重毛布を被って丸まって寝ているなんて、猛暑の町では考えられないことだ...。
「お願いだから何とかして!!」と、私が悲鳴を上げてしまった。
手作りに拘るkiiさんは部材を作り始めたけれど、慣れないことで時間がかかる。
「そんなにきっちりしなくても...。」と呆れて眺める私に、「建具の反りを考えて板を挽いているんだよ。これ
から先の実験的な意味もあってね...。」とkiiさん。なるほど...。
それでも、見かけは結構マシな仮の窓が出来上がった。仮だからガラスははめず板にして貰った。
これで寒さに震えなくてもよくなる...。
部材を自家調達するkiiさん 網戸も入れて...。見かけは、なかなかいい。
部材を自家調達するkiiさん 網戸も入れて...。見かけは、なかなかいい。

  
                                                                                  
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