週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(22)

8月8日

立秋の朝、山の空は抜けるように青く、外気温は18度だった。
ヒグラシの声も急に少なくなり、トンボたちも里へ下りはじめて、野迫川は秋への助走を始めた。

町での仕事を頑張って片付けて、山へ行く時間をなるべく多くしている。
アクシデントによる一年間のブランクもあったが、ようやく棟が上がる日が近付いてきたのである。
ほんとうに長い道のりだった...。
「秋の長雨・台風シーズンの前には何とか...。」と、このところ必死になっていた。
平日の野迫川倶楽部には訪れる人もいない。
おかげで目いっぱい作業ができるが、捗る作業には疲労よりも精神的な充実感が大きい。

棟木1本、母屋(もや)4本が完成した。

この日、kiiさんはかなりピリピリしていた。
「屋根の勾配とホゾ穴の関係」を間違うと、丸太が一本台無しになるのである。
「手伝いは不要だ。黙ってて!!」と宣い、ひたすら丸太と向き合う。

山の端に日が翳る頃、ようやく「終ったよ。見る??」と、疲労を滲ませながらも安らいだ表情のkiiさん。
暮れていくまでの時間を、丸太に手を触れたまま、ただ沈黙の私たちだった...。
柱との接合部分をチェンソーでカットし
曲面カンナを掛ける。
この中心にホゾ穴を開ける。
ドリルで荒堀りしたホゾ穴をノミで仕上げる。
屋根の勾配に合わせてチェンソーでカットする。

丸太の縦挽きもずいぶん上手になった。
縦挽きした部分にプレナーをかける。

これが結構きつい作業。

この夏一番という暑い日に、ひと言の弱音も吐かずに、
一日中プレナー仕事をこなして下さったまれびとさんに
頭が下がる...。
仕上がった棟木と母屋。

真中が棟木、両脇と奥に立てかけてあるのが母屋。

ログ側にホゾ穴を10個堀り、柱の棟木や母屋との接合
部分を角度に合わせてカットし、あと幾つかの細かい作
業を片付けたら、いよいよ棟上げである。

8月1日

木を簡単に組み合わせてポンとおいたままの洗い場は、排水処理も出来ていず自然浸透式だったのだ
が、人数が多い時などは流す洗い水も相当の量になる。

ログに気持が集中しているkiiさんは、今は僅かな時間でも惜しいのだが、急遽、洗い場と排水処理の臨
時工事をすることに...。
洗い場を作りかけたところ。

ブロックのベースを作っている。
作業途中...。

排水パイプも入り、これで安心。
簡易洗い場完成。
水捌けと肌触りを考えて、木でスノコをつくるつもり...。
周囲には丸太で柱を立て、横木を組んでヨシズや簾を
掛けられるようにした。
人目を気にせず入浴O.Kになった。
でも、入りたいという野趣に富んだ女性は少ない。
男性は皆大喜びなのだが、女性は尻込みするばかりで
ある。ドラム缶風呂って気持がいいんだけどなあ...。
一番に名乗りをあげているのはgotoさん。
でも、片手にも満たない...。
  
                                                                                  
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