週末開拓民奮戦記

ハンドカット&セルフビルドのログハウス(27)

11月24日 

「いいお天気だよ。暖かいねえ。こんな日は作業が捗るだろうなあ...。」
先週の上天気の折に山に行けなかったせいもあり、kiiさんのソワソワは見ていられないほどである。
「ご飯は作るし、洗い物もするから...。keiさんはストーブにあたって本を読んでいたらいいよ。イノシシ猟も
始まっているし、庭の様子も気になるよね。体調はどう??」
風邪引きでグスグスしている私を気遣っているようだが、自身が行きたくって仕方が無いのはありあり。
怪我をして独りでは救急車も呼べない、などという状況も起こらないとは限らないから、ある時期から野迫川
へは単独行動を避けてもらっているので、私も重いお神輿を上げざるを得ない。...。

*マークの画像はクリックすると大きくなります。
天井板が張られていく ←1*
作業中のkiiさん
2→
(↑1・・天井板が張られていく。2は作業中のkiiさん。)
手作りの板はまともに納まるものが少ないので苦慮している。
たまにスッと納まりのよい板があると、「どうして??」と疑問符が口をつく。
この疑問符だけは嬉しいものだなあと聞いていて思う。
ロフトのベランダ部分・片面が張りあがった ←1*
ロフトのベランダ部分の
片面が張りあがった。

ロフトの内部から天井を見たところ
2*→
ロフトの内部から天井を見たところ
ロフトの壁面と天井板の接合部分も隙間無く仕上がることを確認。
暖かく過ごせる日を想像するだけで嬉しいものだ。

まるで蝸牛の歩みのように進まない作業だけれど、何とかここまで張りあがった。
「先が思いやられるね。」「まっ、ボツボツでもやるしかないさ...。」
降った雪は融けてしまったけれど、近そうな気配がする。
12月中には張れるかなあ。口には出さないけれど、内心かなり不安である。

イノシシはミョウガとローマンカモミールのエリアを二ヶ所、かなり広く荒し回っていた。
400mほど離れた所に週末の家を持つ村の隣人が訪れ、獲れたばかりの鹿肉をいただく。
まるでトロのような美味しさは、鹿肉のイメージを一掃した。
狩猟免許を持っている御仁で、猟をする人にもいろいろいるが、マナーを守る人だと常から信頼している。
昨年までは多忙で狩猟からは遠ざかっていたのだが、「イノシシは任しておけ!!今年はボタン鍋を食べさせる
から...。」と胸を叩くのが頼もしい。


11月9〜10日 

11月に入ってからの週末はひどい天候に見舞われている。
作業の遅れは必至だけれど、天候が相手だけにこればかりは仕方がない...。
9日は、応援に訪れてくれたO氏改めおのっちと三人で空を見上げてため息をつくばかりだった。
それでも僅かな止み間をみては天井板の凸面の作業を終え、天井板を張りかけるところまでは進んだ。

少し体調を崩したところにHPのFTPが乱調に陥り、やっとまとめてアップしようとしたら、14日中サーバーの
メンテナンス...。レポートが遅れました。
*マークの画像はクリックすると大きくなります。
妻壁の板に化粧釘を打っているおのっち。 凍える手をハアハア...。

雪や霙の時は露天での作業ができないので、、ロフトの妻壁
に張った板の下部を化粧釘で留め付ける。
乾燥して収縮が終るのを待っていたのだが、丁度頃合いに
なってくれた。
壁からの隙間風の防止はこれで万全になる。

作業に励むおのっち。*
早すぎる雪。紅葉に雪は野迫川での初体験だった。 ←1*
ブルブルッ!!kiiさんとおのっち。
2*→
(↑9日の日中はこんな状態。2は寒さに震えるおのっちとkiiさん。鍋と熱燗での食事も
横で燃やしている火も追いつかない...。)


この日の気温は午前7時に−1度、日中でも3度から上がらなかった。
4時過ぎには天川村のみずはの湯に温まりに行き、早めの夕食を済ませて早々にログに引き上げる。
寝るには早すぎるけれど、野外は寒すぎる...。
野迫川の夜はほんとうに長い。石油ストーブで暖を取りながら、おのっちと調理器具談義に花を咲かせる。
しかし何というテーマであろうか...。

翌日は「ほとんど曇り、時々晴れ」のまあまあの天気。昨日の遅れを取り戻そうとおのっちとkiiさんは早朝
から作業を始める。
(↓1は凸面を作っているところ。2の画像は出来上がってロフトに運び込まれた天井板。)
早朝から作業に励むおのっちとkiiさん。 ←1*
2→
天井板を張り始めた 天井板を張り始めた。*
自作の天井板は暴れ者、凸面、凹面やソリに悩みながらの
作業。
この天井板を張ってから垂木、断熱材、コンパネ、ルーフィング、
カラーベストの順で完成になるが、横に台所が付くために屋根
の完成は台所工事が完了してからになる。
雪が近いので天井板を張った後、厚めのブルーシートで覆い
年を越える予定である。

それでも、妻壁と天井から風が吹き込まない冬は初めてなの
で嬉しくて仕方がない。さぞ快適なことだろう。
屋根に登って作業をしているのはkiiさん、おのっちはロフトのベランダで天井板に塗料を塗る。
丸太の足場の上に立っているのはカメラマンのK氏。アクロバット撮影には恐れ入りました...。

10日は雑誌の取材で、記者とカメラマンの方が野迫川入りされたのだが、とても気持のいい方達で、楽しい
一日を過ごすことができた。
今年は二度、プロの仕事を目の当りにさせていただいたが、素人は慣れるものではない。
冷や汗が出て、恥ずかしい消え入りたいの心境である...。


11月2〜4日 

今回の天候の悪さときたらなかった。みぞれ・粉雪・初氷・木枯らし...。

「こんな日に、ようしはりますなあ。ストーブで温もってたらよろしいのに...。」と半ば呆れたような村人の声
を聞きながらも、寒さに震えながら作業は予定通り進めてきた。
今年の雪の早さと冷え込みはついぞ知らないと、村の人も吃驚するくらいなのである。
せめて天井板を張り終えるまでは、ストーブの前で暢気になどしていられない。
山の日の暮れは早い。野迫川倶楽部も4時を過ぎると薄暗くなる。
丸太から板を挽き始める 2日はまだ準備段階。
3日の朝から丸太を挽き始める。
電動丸鋸のモーターよ、鋸刃よ、これからの長丁場をどうか
元気に乗り切っておくれ...。

二人で丸一日かかって丸太を板に挽く。

4日はお互いに分担作業になる。
挽いた天井板を自動カンナに掛けるのは私 ←1
どんどん挽きあがる。
2→
(↑は挽いた天井板を自動カンナに通している所。2は通し終わった板
自動カンナに200枚近い板を通すお役は私。
寒波襲来に花たちも哀れな様相を呈している。
副産物の鉋屑はマルチングに最適と、庭中を走り回り防寒対策にも精を出す。
kiiさんはホンザネの溝掘りに集中する。
雪や霙が降る合間を見て、凍りそうな指先を時折温めながらの作業になった。
(↓1は溝を掘っているところ。2の画像の矢印のところが掘り上がった凹面。)
溝掘り(凹面)をしている所 ←1 矢印が掘り上がった凹面
2→
凹面が掘り上がった天井板 ←溝堀(凹面)を完了した天井板の一部。
丸太から板を作ることって文字や画像には現せない細かい
作業が多々ある。
「そこまでしなくても...。買えばいいのに。」
訪れた知人夫婦のため息混じりの声。
野迫川倶楽部の土地を手に入れてから、そしてログを建て始
めてからこんな言葉をいったい何度聞いたことだろう。
「思いは人それぞれ。」私たちも心の中で何度も呟いた。
自分で家を建てる、建てることを楽しむ。
板まで自家製の正真正銘のセルフビルドだぞ!!
トーンが少し落ち気味だけれど...。
溝掘りの刃を付け替えて凸面を作る準備 ←1 凸面を作る。矢印部分
2→
↑1溝掘り用の刃を替えて凸面をひく準備。↑2の矢印は試しに削ってみたところ。
何度も試しながらようやく納得した様子。
日が暮れてきて気が気ではないのに、次回の作業のために此処までが目標だったようだ。

kiiさんの道具は新品がほとんどない。大方が中古屋さんで探してきたものである。
この溝堀りの道具もそう。
ログを作り始めた頃に見つけて、買い置いてあったものがようやく役に立つ時がきた。
次回は凸面を作る作業を終え、天井板を張リ出すまでいけたらいいなあ。

これだけの天井板を挽いても、まだ半分にも満たない。とにかく前進あるのみ。がんばろう!!
今夜も鍋。今夜はちゃんこ鍋です。 鼻をすする冷たさの中でも夕食だけはきちんと作る。
寒い時の我が家の定番はちゃんこ鍋やミズナ鍋。
一番簡単だということはやっぱり手抜きかな。
しかしまあ相も変わらず野外活動をしている二人、焚き火を
しながら鍋を囲むのもなんとも味わいがあるもので...。
お出汁はしっかり取り、イワシと鶏の二種類の摘入れだけは
手抜きをしない。
薬味には赤おろしとユズコショウに、小口ネギや擂り胡麻を
添えて、何と言っても柚子酢が味の引き締め役、忘れては
ならない。
ホコホコに温まって実にいい気分!!
  
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