つれづれなるままに |
2005年1月 |
1/26 | 映画三昧の日々 |
年末年始の休暇は勿論のこと、この月は映画をたくさん観た。 二人とも映画は好きだったが、こんなに、それも食傷気味になるほど観たのは初めてだ。 冷え込んだ空気と降りしきる雪のおかげである。 作業がストップしていてもさほど言い訳をせず、罪悪感を感じないで映画に没頭できるというのは、今冬がいかに雪が多く冷たいかということなのだが...。 山の夜長を退屈せずに過ごせる一番の方法、私たちの場合、それは映画と本だと断言できる。 いつか山で暮らす日のためにと言う訳でもないが、映画はビデオ・LD・DVDと集めてきた。 何しろ山にはレンタル店など無い。借りたはいいが、1時間も掛けて町へ返却に行くのも面倒である。従って増え続けることになる。 映画が「選り取り、観取り」というのは相当の場所取りで、本と同様、我が家の悩みの種でもある。人が本や映画に埋もれて小さくなっている図を想像されるだろうが、それは現実のことなのである。もっとも、我が家の映画は、レンタル店でいえば「旧作、7泊8日」に組み入れられるものばかりだが...。 古い映画が今もなお輝いている、或いは、こんなにいい映画だったのかと認識を新たにする時は、旧知の友に出会ったかのような嬉しさである。 「ここはこんなに素敵な台詞だったのか...。 」と、今頃になって目からウロコのシーンも数多い。 また逆もある。大きな声では言えないが、こんなにつまらない映画だったのか、どうしてこんなものに夢中になったのか、観た後で時間を無駄にしたような味気なさを覚えるものもある。 音楽だけが一人歩きしてしまったような映画もある。 この月に観た映画を振り返ると、ヒッチコックが多い。 「白い恐怖」「ガス燈」「サイコ」「鳥」「間違えられた男」「知りすぎていた男」「見知らぬ乗客」 「ロープ」「ハリーの災難」「めまい」「断崖」「マーニー」「レベッカ」「北北西に進路を取れ」 イングリット・バーグマンはkiiさんのお気に入りで、「白い恐怖」や「ガス燈」「誰がために鐘は鳴る」「カサブランカ」は大事の子である。 「カサブランカ」など、今回は二回も観せられた。 某レンタルビデオ店の旧作ランキングでは「カサブランカ」はダントツのトップらしい。 確かに頷ける。1943年製作というが、年月の古さを感じさせないほどの名作だと思う。 この映画を観るたびに「男らしい男は好きだけれど、男くさい男は嫌いだわ。ハンフリー・ボガードは「カサブランカ」でいい男だったわね。そうは思わない?」と言った、今は亡きおばちゃまを思い出す。 「風と共に去りぬ」「赤毛のアン」「アンの青春」「機動戦士ガンダム・劇場版三部作」「サウンド・オブ・ミュージック」などは何度観ても飽きることがない。 これらは「カサブランカ」とともに、毎年正月には決まって我が家の鑑賞会に登場する。 「ローマの休日」「昼下がりの情事」「麗しのサブリナ」オードリーの愛らしさは何ともいえない。 「海辺の家」「息子の部屋」「スケアクロウ」「天国の約束」「愛と哀しみの果て」「ダンス・ウィズ・ウルブス」「死刑台のエレベーター」「地下室のメロディ」「鉄道員」「刑事」「グラス・ハープ」 「心の旅」「心の旅路」「アラバマ物語」「刑事ジョン・ブック〜目撃者」「三つ数えろ」「「アラビアのロレンス・完全版」「ベン・ハー」「武器よさらば」「スタンド・バイ・ミー」「慕情」「還らざる河」 「ナイアガラ」「若草物語」「エデンの東」「理由なき反抗」「ジャイアンツ」「大脱走」「スティング」「ファミリービジネス」「風とライオン」 ショーン・コネリーは老年になってからのほうが好きである。007の頃は観たことがないが、老けてから味のあるいい雰囲気になったと、かのおばちゃまとも見解の一致をみたものだった。 「雨に唄えば」「マイ・フェア・レディ」「オズの魔法使い」「オテロ」 「グーニーズ」「ハリ・ポタ」や「千と千尋の神隠し」「蛙になったお姫さま」「不思議の国のアリス」 「白雪姫」 私たちの選択はなんとも片寄っている。 洋画の場合、翻訳も大きく影響する。名訳に出会うと唸ってしまうが、原語を損なわずに雰囲気を伝えることの難しさは相当なものだろう。私はつい訳者を見る癖があるけれど、好きな訳者の作品は、安心して時間を委ねられる気がするから不思議だ。 そういえば、マックイーンの「拳銃無宿」の訳もほんとうに洒落ていたっけ。 「北の国から」は時には頷き、時には首を傾げながら全編を網羅した。 「ナビィの恋」「夏の庭」「瀬戸内少年野球団」「砂の器」「どですかでん」「キネマの天地」 それにしても、邦画は少ない。 嫌いなのではないが、青春時代に洋画漬けになっていた、その影響かと思っている。 映画は楽しい。年代と共に好きな映画は多少の変化があるけれど、ベースは変らないものだ。 この映画を最初に観た時は、何処で、誰と、そしてどんな時代だったか...。 そんなことも思い浮かべつつ、懐かしさに浸っていたりする。 学ぶべきものがあったか、単なる娯楽だったか、ストーリー性があったか、映像がよかったか、観方はどうだっていい。 人生のあの折この折に、思い浮かべられる映画や本がたくさんあるほど、幸せというものじゃないか。 そんなことをふっと感じながら、たくさんの映画を楽しんだこの月だった。 |