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「のせがわで田舎暮らし」でタイムリーなご報告をしています。

つれづれなるままに

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  【干し野菜に夢中です】

5/1 干し野菜に夢中です
私が今熱中しているのが干し野菜作りで、これは4月に書いたひとりごとの「弁当作り」から派生したものである。
そこには、kiiさんの好きな弁当のおかずbPは「玉子焼き、青菜のお浸し、ひじき料理に五目煮」だと書いたが、その五目煮が問題だった。
鶏肉入りが好みではないkiiさんのために、味を出すにはさぁどうしようか。
干し椎茸とその戻し汁を使ってみたら、それが一番美味しいとのたまう。
我が家の出汁は鰹節、昆布、干し椎茸を使うことが多いが、椎茸を五目煮にも使うとなるとその使用量が違ってくる。
しかも国産の干し椎茸は高価である。
粒の揃ったものや大羽のもの、厚手のものなどという贅沢は勿論言わないが、折れ椎茸でも決して安価ではない。
製品にするまでの手間暇を考えると無理もないとは思うが、一般家庭で頻繁に惣菜として使えるような代物ではない。
おまけに最近の食品公害で、安価な外国産は恐くて手が出せない。
そうなると、これはもう「自分で作るしかないっしょ!!

私が干し野菜熱中症候群に罹患したきっかけは短絡的で単純だけれど、まぁ、物事の始まりというものは概してこんなものだろう。干し野菜に目覚めたのは、そう、干し椎茸なのだ。これは、強いて言えば「貧乏人の苦肉の策」だろうか。
生椎茸を乾す 残念ながら椎茸はまだ自家製がないので、仕方なく安価なときを見計らって購入している。「椎茸、椎茸」といい暮らしている私を可哀想に思ったのか、はたまた自分自身の為か、次回のキノコの植菌では椎茸をトップに持ってこなければならないと、kiiさんも覚悟したらしい。椎茸用のホダ木が倶楽部には生えていないので、それをどう算段するか頭を悩ませている様子である。 ほんとに小さくなってしまうんだよね。
太陽と風の自然の力で乾燥させた椎茸は、ひなびたいい香りが漂い、使ってみたら上々である。
以来、とにかく何でもかんでも干してみる。
旬のものは安価で量も多いから、二人暮らしでは少し残るときがあるが、そんなときは即、実験である。
おかげでkiiさんは、しばしば「けったいなもの」を食させられている。

思い起こすと、干し野菜との縁は今に始まったことではない...。
昔、北海道十勝で暮らしていた、流通も発達していなかった当時は、秋になると何処の家でも漬物を漬けて冬場の食料としていた。
我が家でも沢庵や白菜、キムチなどの大きな樽や、粕漬け、味噌漬けなどの小さな樽が納屋に幾つも置かれていた。
ほとんど冬中をもたせるためにその量は半端ではなかったが、母の漬物を楽しみに訪れる呑兵衛も多かったので、量は増えることはあっても減ることがなかったと記憶している。
大根や白菜を洗ったり、大根葉を干したり、子どもたちも冬迎えの準備に駆り出されるのが当たり前の時代だった。
冷たい風と水で、手や顔を真っ赤にしながら...。
軒先にズラリと干した大根葉が、乾いてひなびた香りを漂わせ始めるときが私はとても好きだった。
それは冬の貴重な緑野菜で、油揚げや細切れ肉と炊き合わせたり、味噌汁の具になったりと頻繁に食卓に登場したものだった。
考えてみると、大根葉の干した香りが好きだなんて、その頃から私は「少し変わった子」だったのかもしれない。
カサコソ...。大根葉が風に揺れる音がふっと聞こえるような気がして、耳を澄ませる。

もうひとつ、ストーブの炉台で乾かしたミカンの皮、これも忘れてはいけない。
干したミカンの皮はお茶になり、また袋に入れて風呂にも浮かべた。
一時期、風邪を引いて肺炎を起こし学校を休みがちだった私は、そんなときに母が作ってくれる、少し砂糖を入れたほんのり甘いミカン茶が大好きだったが、こんな飲み物は今の子どもたちには多分見向きもされないことだろう。
ミカン茶を作ってみたいとは思うが、寒さの厳しい野迫川村では柑橘類を育てることが叶わず、さりとて農薬、ワックス掛けのミカンでは作る気にもなれず果たせないでいる。
長らく胸の奥底に眠っていたけれど、干し野菜熱中症へのルーツは、あの軒先とストーブの炉台にあったのだと言えるだろう。

干しあがってほんのりお日様の香りがする野菜やキノコ類には、生のものとはまた違った味わいがあって楽しい。
機械乾燥とは異なり、旨みと甘味が凝縮して風味があり、その上ビタミンDがたっぷりで栄養価も抜群である。
キノコをはじめとして、白菜や大根、人参、蓮根など冬場は根菜物が多かったが、夏野菜が本番になるこれからは、いっそう本気を出してますます干し野菜にのめり込んでいるような予感がする。


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