つれづれなるままに

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2003年2月
  
【〜49歳】思いがけないプレゼント
    
2/28  〜49歳
最近公衆電話が少なくなった。
kiiさんとの二個一コンビで行動していることが多いので、今まで一台の携帯電話で事足りていたのだ
が、まれの単独行動の際、公衆電話を探してウロウロすることが何度もあった。
ついに私も携帯を持たねばならないかと
、不承不承ではあるのだが...。

たまたまNTTドコモに尋ねたい用件があり、インフォメーションセンターにTELする。
センターには500人からのオペレーターの方がいるそうだが、親切で丁寧な方が出てくださり(他の方
が不親切だと言うのではない。より親切だったということである。)用件は簡単に片付いたのだが...。

「ところで、50歳を過ぎたら女性扱いはされないんでしょうか??」
何気なく発した私の言葉に、電話の向こうで息を呑むのが判った。
ドコモの料金明細に同封されてくる
「Rasente(ラシェンテ)という小冊子に、先月意外な文字が掲
載されていたのである。
「はじめてのケータイ」割引サービスレディースの対象は26〜49歳以下、50歳以上は文字の大
きな二機種(少々見映えがよくない)がサービスの対象で、レディスは全機種が対象になる。たまたま
携帯電話の必要性に迫られていた私の目に、運悪く留まってしまったのである。

若ぶるつもりは毛頭ないが、最近の50歳に字の大きな機種を強要するのも変な話である。
それも一メーカーの二機種のみとは、あまりにも無神経ではないだろうか。
一昔前の50代と異なり、周囲の友人達はみな生き生きとして若い。
体力が落ちこそすれ気力は充実しているし、子供たちを巣立たせて「ゆとりの年代」を謳歌している人た
ちも多い。
そんな世代を掴まえて余計な親切を押し付けるのは、なんとも行き過ぎではないか。
それに全機種から選択できるレディースが49歳以下というのは釈然とし難い。
どちらのコースを選ぶかは本人の好き好きという、選択肢があっていいのではないか。
それで先の弁が口を突いて出てしまったのである。
ベテランの担当者は、私の嫌言に厭な声も出さず、内心は「なぜ私の時にこんな目に遭うの?」と怒っ
ていたのかもしれないが、そんな気配を片鱗も感じさせずに「きっちり処理します...。」とのことで電話
を済ませたのだった。

さて、今月の「Rasente(ラシェンテ)が届いて、何気なく覗いて吃驚した。
26〜49歳以下が消えて、26歳以上になっていたのである。
たまたま新聞に入ったドコモショップの広告チラシも、その個所は修正されている。
kiiさんは「クレーム客のリストに載るぞ!!」と言うけれど、たかが一名ばかりの苦情や意見で大会社
が動く訳が無い。
早速の対処には恐れ入るけれど、きっと多分、他にもそんなクレームがたくさんあったのに違いないと
思っている。
      
2/11  思いがけないプレゼント

いつもと同じように夕食の準備に取り掛かった時間、電話が鳴る。
受話器を取り上げて「おかしい...。いたずら電話かな?」
一瞬の間があいた後に、やおら歌声が聞こえる。「アッ、ゆうちゃん??」
「ハッピバースデ ツーユー、ハッピバースデ ツーユー、ハッピバースデ ディア ケイチャン」
何よりも嬉しい声のプレゼントである。

娘が巣立ってからの夫婦二人きりの所帯は、お互いの誕生日が来ても「そういえば誕生日だったね。
オメデトウ!!」「どうも...。」というぐらいで、普通の一日とまったく変化がない。
kiiさんは3月3日のひな祭りが誕生日だから、あまり忘れられることはないけれど、それでも付け足しの
ような扱いである。
それが今年はどういう訳か、kiiさんが私の誕生日を早めに思い出したようで、珍しいことに「花をプレゼ
ントしようか。何の花がいいかなあ...。」
「熱でもあるのかな。」と、思わずマジッと顔を見たことは言うまでもない。

この季節はまだ好きな山野草も出回っていず、花屋さんの店内は華やかな洋ランが主役だけれど、洋
ランは10年ほど前にもう卒業している。
私とは相性があまりよくなく、長続きしない間柄だったのである。
せっかくの申し出を無下にしてはいけないと、「欲しいものがあるけれど、花でなくてはダメ?」という訳
で、予算全部をゲンキンに現金で戴き、私はイソイソと出かけたのである。
もちろん、欲しい絵本のリストを忘れずに...。
「これとこれとこれ...。これも欲しいけれど予算オーバーだし、500円貯金が溜まってからにしよう。」
などと、この本棚全部を買い占めたいという無謀な欲望を抑えながら、逡巡するひと時がたまらなく楽し
いのである。 何と可愛いものだろう...。

ズシリと重い7冊の絵本を抱えて、「ありがとう!!」
テレくさそうに笑顔で答えながら、kiiさんの顔には「ウチのカミさんときたら...。」という表情が浮かん
だような気がしてならない。

本好きだった亡母の姿に自身を重ねているのか、貧しくて自分の本をあまり手にすることができなかっ
た幼い頃の思いが残っているのか、絵本や児童書は特に大好きである。
最近は、絵本を手にした時のゆうちゃんの目の輝きを思い浮かべて、温かいほんわりした気持に浸りな
がら選ばせて貰っている。
そして私の絵本たちの記念すべき200冊めは、大
人のメルヘンの雰囲気を漂わせた絵本を選んだ。
角野栄子作「魔女からの手紙」

kiiさんからの思いがけないプレゼントということで、
忘れられない一冊になりそうである。

ポプラ社刊
     
    

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