つれづれなるままに

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2003年4月
  
【自然の恵み】
 
4/24  自然の恵み

ありがたいものだ...。
ニョキニョキと天に向かって伸びるタラたちを見上げながら、感慨に耽る。

開拓を始めた頃はうっそうとした杉山で、下草も育たない有様だったから、タラやウドが我が地に
登場する日が来るなどとは想像もしなかった。
だから、切り開きだして一番にしたことは、刺ナシのタラの苗を植えたことだった。
タラの苗は、町では刺ナシしか手に入らなかったのだ。
その刺ナシタラは少々風味に欠けていて、我が家では人気がなくいつの間にか消えてしまった。

一年後に数本の小さな野生のタラが登場した。
あまりに小さなその芽は食べられるものではなく、大事にして翌年、そしてまた翌年と食せずに育
ててきた。
土手に忽然と出現したタラもそっと掘り上げて移植し、まるで大事の子のように愛しんできた。
それがどうだろう...。
いまやあちこちにボコボコと出現して、3〜4mに成長しているものも多く、「イタッ!!」と庭仕事
の邪魔をする存在なのである。

昨年、初めてタラを味わった時の感激は表現できないほどである。
うちは、芽では戴かずに若い葉を天ぷらにする。
これは長い期間天ザルウドン&ソバの主役を務めてくれた。
先日の花見の折、今年お初のタラを天ぷらに揚げたが、「甘い美味しい」と昼食を出前に来
てくれたご夫婦にも大好評であった。
「去年のものより味が濃くなって旨味が増している。」とは、多分に身贔屓のkiiさんの弁である。
少しばかりを娘に送ったら、「おいちかったの。あまかったよ。」とゆうちゃんのコメントがあったと
ころをみると満更でもないが、これも身贔屓か...。
私はその日、天ぷらの揚げ役で忙しく、今年のタラを食しそびれているので味の評価はまだでき
ない。

ウドもすごい。木屑をてんこ盛りにしておくので、よく育つ。
これは4年前に出現した。
昨年からやっと口にできるようになったが、山ウドの美味しさはタラに勝ると思っている。
何しろウドは無駄な所が無い優れものなのだ。
葉は天ぷらに、皮はキンピラ、皮を剥いた茎は濃い緑の木の芽味噌をとろりとかけていただく。
これが絶品なのである。
酒飲みならずとも生唾を飲み込むに違いない。

ウドもタラも子孫を増やして、私たちは嬉しい悲鳴を上げているが、花が咲いて、たくさんの種類
の蝶を寄せてくれるという楽しみも体験させてもらっている。
見たことのない蝶たちと居ながらにして出会える、こんな喜びがあるだろうか。

ミツバも香りが高く、太くて柔らかで美味しい。
お浸しや辛子和えなど山の食卓にのぼることが多い。
ミツバは恐ろしい勢いで勢力圏を拡大している。もう私の手には負えない。セリも同様である。
わらびやコシアブラも少しずつ目に付きだしたし、ノビルやシオデもゆるゆると増えている。
植え込んだアシタバやコゴミも元気である。
新たな山菜に出会えるかもしれないという期待にも胸をふくらませている。

杉山を切り開き出して6年、自然の恵みをたくさんいただけるようになってきたのが嬉しい。

                          

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