つれづれなるままに

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2003年10月
   
 【海藻大好き!!】
 
10/15  海藻大好き!!
この季節、雨の野迫川は冷え込む。
合羽を着装して草引きに出る気にもなれず、ログ内の整理整頓に時間を費やす。

保存食品のコンテナを整理していて気付いたのだが、我が家はとにかく海藻類が多い。
コンテナ一つに溢れるほどの海藻類には、眺めていたkiiさんも呆れ顔である。
「海苔はいったい何帖あるのサ!! 寿司海苔、焼き海苔、刻み海苔...。」と手に取っては私を見やる。「ウーン、野迫川には20帖ぐらいしかないよ。」と言う私に、絶句するkiiさんである。

海藻類は大好きである。
特に海苔は、バリバリとおやつ代わりにいただく。
この遺伝子は、娘やゆうちゃんにもしっかり伝わっているのが嬉しい。
これだけは真似たくないとkiiさんは頑強に抵抗していたが、最近、手巻き寿司の時に海苔だけをパリッとかじっているのをコッソリ見て、仲間が増えたと内心ほくそえんでいる。

海藻好きは亡母の影響が大きい。
北海道に住んでいた頃、食卓にはいつも何かしら海藻類があった。
昆布を油で焼いたものは、大好きなおやつだった。
「青い野菜と海のものをしっかりおあがりなさいな。」というのが母の口癖だった。
海の幸豊かな渥美半島出身の亡母は、海藻を食べながら故郷を偲んでいたのかとも思う。
今ほど簡単に、北海道と本州を行き来できる時代ではなかった...。
野迫川に置いてある海藻あれこれ...。 海苔を始めとして、昆布、ワカメ、アラメ、ヒジキ、とろろ昆布におぼろ昆布、テングサに寒天、岩ノリ、アオサにマツモ、勿論刻み昆布や昆布の粉末も...。
海苔の佃煮、昆布の佃煮や...。
数え上げたらいったいどれほどあるのだろう。

昆布は利尻昆布に襟裳昆布、日高のミツイシ昆布、函館のひろめ屋の早煮昆布も欠かせない。
ヒジキは長ヒジキ、芽ヒジキ、ワカメは板ワカメ、糸ワカメ、灰干しにカットワカメ、生ワカメ。
(この画像は大きくなります。)
特に三重の奥田さんの「めひび」と越前三国のびょうぶやさんの「もみわかめ」は、無くては心細さがつのる我が家の貴重な海藻類である。
奥田さんの「めひび」は美味しい。
「めひび」は「めかぶ(ワカメの胞子の出来る部分)」を乾燥させて刻んだものだが、某大学出版の食材の図鑑によると、「めひび」はワカメの根と記載されていて、ワカメの根って食べられるものなのかな? いったい、どうやって採集するんだろうと首を傾げている。
めひびは湯をかけてトロトロになったものを、出し汁や二杯酢などでいただいたり、ご飯にかけたりする。また、乾燥したまま味噌汁やうどんなどにも一つまみ入れると、風味が増す。
春先の生のめかぶが手に入ると、包丁でザクザク刻み熱湯をかける。
美しい緑色に変化したものをやはり二杯酢で、それも柚子酢をしっかり効かせていただく。

越前三国のびょうぶやさんの「もみわかめ」は、お茶漬けやご飯に絶品である。
我が家では、鯵や鰹のてこね寿司に欠かせないものである。
(てこね寿司は三重県志摩半島の郷土料理。ズケにした鰹やマグロ、酢で〆た鯵など旬の素材が主役になる。これを酢飯に混ぜ込む。所や家々によって異なるだろうが、我が家ではこれに切り胡麻や青シソ、紅しょうが、もみわかめを散らす。私たちの一押しは鯵のてこね寿司である。)
もみわかめが切れた時のてこねは、気の抜けたビールのような味気なさである。
それほどに魚の旨味を引き出す...。
このてこねには未だ出会ったことがないので、これは私のオリジナルだと自負している。
「めひび」も「もみわかめ」も共に宅急便のお世話になって、我が家の常備品のトップにいる。

滅多に手に入らないが、博多名物のおきゅうと(エゴノリを煮溶かして冷やし固めたもの)も好きな一品である。
ツルリンとした喉越しのよさは、お代わりをいくつも重ねてしまう。
おきゅうとに惹かれて、私は博多に旅がしたいと思う。
山陰や瀬戸内では、エゴノリの近縁種のイギスから同様の製品が作られて、いぎす豆腐と称されているそうだが、これもいつか口にしてみたいと憧れている。

幼児期のすり込みというのは忘れないもので、青物野菜と海藻をいただく時は体のすみずみまで養分が行き渡る感じがするから不思議である。
さて、今夜はめひびを食卓に上らせようかな。
        
           

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