つれづれなるままに

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2001年6月
     
【お気に召すまま】
 
6/26  お気に召すまま。  

先週の豪雨は、高野山、野迫川では350ミリを越えるすさまじさだったそうだ。
十津川の一部では500ミリ降ったとも聞く。
娘達が帰阪しているので時間のゆとりがあまりないのだが、気になって仕方がなく様子を見に
野迫川へ向かう。

いつもエメラルドグリーンの美しい光景を見せてくれる、猿谷ダムのダム湖はご覧のとおりの
濁りようで、ダム湖に流れ込んだ大量の朽ちた木や枝、ゴミなどを堰き止めるネットが張られ
ていた。
流れ込んだこのたくさんのゴミ様のものは、ずっと奥まで延々と続いていた。
豪雨の後の猿谷ダム
土砂崩れは所々にあるものの、道路は通行止めには至らずホッする。
心急かれる思いで野迫川倶楽部に到着。
花たちは痛手をこうむっているものもかなりあるが、「このぐらいならまあよしか...。」と見回って
愕然。幹の直径10cmほどの白樺が一本ボッキリと折れている。
白妙という桜と、スモークツリーのグレイスが二本倒されている。
思わずフーッとため息が出る。
倒れそうになっている杉も何本かあり、早めの処理が必要かもしれない。


野迫川倶楽部には湧き水があり、飲料として利用している。
それだけでは生活用水としては足りないので、700メートル先の取水権のある谷からパイプで
水を引いている。その水が止まっている。
不安を抱きながら、まず湧水を点検に裏山の谷に行く。
「ウワッ...。」と声をあげたきり、言葉が続かない。
「すごい雨だったんだね...。」
細流だった谷筋はえぐられて岩盤が露出し、二週間前に植えたたくさんのワサビは8割が土砂
に埋まってしまった。湧水は健在で一安心...。

「行ってみようか...。」「恐いね...。」
必要と思われる道具類を揃えてもう一本の取水を点検に・・・。
藪をかき分け谷を登る。
「・・・・・。」「・・・・・。」二人とも呆然と惨状を眺める。
流された倒木でパイプはへし折られ、取水タンクは土砂で埋まっている。
ここも大きな谷ではなく流れはいつも小さかったので、こんな状況になっていることが信じられ
ない。信じられない現状こそが、襲った豪雨を物語っている。

気を取り直して流木や土砂を取り除く作業を2時間半。すべてを取り除くのは無理なので、とり
あえずは応急処置をする。部品を補充して早急の対処を要する...。
パイプの中にも大量の土砂が流れ込んでいる様子で、最悪700メートルの総点検が必要かも
しれない。取水タンクの中にはたくさんの沢ガニが入り込んでいて吃驚させられる。

人為的な所為には怒りを覚えるけれど、相手が自然なら「仕方がないね。」と不思議と腹も立
たない。
「お気に召すままだよね。」「そうそう、諦めが肝心だね。」「三年前のあの台風の時よりマシだ
ね。」「山で暮らしているとこんなこともあるね。」
妙にサバサバしている私たちだった。

 
 


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