つれづれなるままに

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2001年8月
  
【また来たの?】 高校野球応援記 シンプルが一番
  
8/27  また来たの?

台風の置き土産を心配しながらの野迫川行き。
被害は水場二ヶ所だけで、このぐらいでよかったと胸を撫で下ろしたのだが、招かれざる客
の被害が甚大である。

湧き水のある谷から入り込み、ミョウガ畑を蹴散らしログハウスの間近まで荒らし回っている。
コオニユリは花をへし折って球根を一つ残らず平らげてくれた。
三年前に荒らして行ったホトトギスは、やっと回復して芋が育ちたくさんの花を付けそうになっ
た今年、掘り返して食べ尽くしている。ただ、小さな苗を残しているところは、木を枯らすまで
傷めてしまうカミキリムシよりは賢い。
ホトトギスは今のところ被害に遭うのは一種類だけ。それだけがおいしいのだろうか?不思議
である。食べ比べてみる気は私たちにはまだない。
「山は食糧難でもないだろうに...。」「これだけ荒らされると見事としか言いようがないね。」
「食べごろがわかっているんだね。」と、顔を見合わせて大笑いしてしまう。

寝床にしているらしい場所は、綺麗に広げられて草を取り除き、ドクダミの根や小さな木の枝
を敷き詰めてある。寝床とヌタ場は離してしつらえているところなぞ、住いの設計にも長けてい
るではないか。寝床の様子ではどうも4頭かなと思う。ありがたくない!!

進入経路を辿って木酢液を18リットル撒き、要所要所にステンレスの針金で作った見せ掛け
のワナを括り付ける。
前回はこの見せ掛けのワナを仕掛けてから来なくなったのだが、これが効果があったのかど
うかは定かでない。
その時はグリーンにコーティングした針金を使用したが、彼らの学習能力も考慮して今回はス
テンレスに変えてみた。私たちも多少は頭を使っているのだ。

昨年の夏の夜、大イノシシが車に突進して昇天して以来、安心して暢気に構えていた。
そう、招かれざる客はイノシシ御一同様。

野迫川倶楽部は7段の土地と少しばかりの裏山で構成されている。
ログは4段目にあり、ログから下の土地は全部花や木を植え込んでいる。
何しろログのすぐ上まで来ているのだから、私は戦々恐々としている。



8/15  高校野球応援記

8/11(土曜日)久しぶりに甲子園に出かけた。
母校帯広三条高校が、北北海道代表で夏の高校野球に15年ぶり5回目の出場。
その応援である。

甲子園までは車で走ると高速道路で40分ほどなのだが、電車の乗り継ぎでは2時間弱
かかってしまう。
それが面倒であることや混雑と暑さも敬遠して、今まで高校野球は観戦したことがなかったけ
れど、今回はなぜかはじめから行こうと決めていた。
スポーツ好きなkiiさんも行こうかなと乗り気。
スポーツは好きだけれどルール音痴の私にとって、kiiさんの同行は非常に嬉しい。解説者が
傍らにいるようなものだから...。
前の日から麦茶、ウチワ、タオル、麦わら帽子などを用意して何やら遠足気分だった。

甲子園に着くと、遠路北海道から乗り込んで来た一般応援団の姿も目に付いて、ふるさとの
訛りが聞こえてくる。「懐かしいなあ...。」と思わず聞き入ってしまう。
アルプススタンド入口には帯広三条のロゴ入りTシャツを着た人たちも列を作っている。
私たちの後ろには選手の黒沢君のお父さんや親戚の方達が並び、話が弾んだ。
佐藤君のおばあちゃんもはるばるお孫さんの応援に駆けつけていた。
周囲の方達と話をしていると、いつの間にか私も十勝のイントネーションになっているのがお
かしくて一人苦笑する。
高橋監督が並んでいる人たちに「ありがとうございます。よろしくお願い致します。」と挨拶を
して回られるのが印象的だった。
前の試合が長引いたため開始が一時間ほど遅れたので、その間、関係者の了解を求めて
応援団部諸君の写真を撮らせてもらったりする。
かなり古い先輩と言うことで、気さくな笑顔を見せてくれた。
「校歌も応援歌も忘れてしまって...。」と言う私に、彼らの一人は腰のポケットから紙切れを取
り出し、「汗で濡れてしまったけど、これ、よかったらどうぞ。」
嬉しかった。校歌と応援歌のプリントだった。そんなことにさえ感動を覚えて、胸が熱くなる。

やっと場内に入ると、三塁側は西日をまともに受けてまるで灼熱地獄...。
おまけにベタっとした湿気がまとわりつく。
「暑いね。」と言う声よりも、選手達がバテていないかと案ずる声が多いのは、いかにも高校
野球らしい。
甲子園は長い間訪れていない。それも一塁側しか入ったことはなかったから、当たり前のこと
なのだがロケーションが違うことも面白い。
対戦相手は岡山。バス33台とたくさんの車で応援団が乗り込んで来たそうな...。
帯広三条は遠いためアルプススタンドを埋め尽くす人数ではないけれど、応援は負けないと
意気が上がる。
応援団部が一列に並び、「よろしくお願いします。」と挨拶。
球場の外では、カメラを向けると皆でひょうきんなポーズを取ってくれた応援団部が、キリッと
しまった顔になっている。
応援団部員や生徒応援団、ブラスバンド、父兄・一般応援団が一つになって声を嗄らしての
懸命な応援が続く。
忘れていたはずの校歌や応援歌も最初のメロディを聞くと、自然に歌詞が口をついて出てく
るのがほんとうに不思議だった。
試合は8対0に終ったけれど、頑張った選手達に送られた拍手は温かくて大きかった。

熱く燃えた甲子園の一日は、清々しく心に残った。

熱中症でダウンした生徒も居たほどだから、暑さはさぞこたえたことだろう。
十勝の最高気温はずっと京阪神の最低気温よりも低かったとか...。
生徒達の肌の白さからもそれが伺える。真っ赤に焼けて痛々しい女子生徒もいた。
気候の変化の厳しさには相当参っている様子だった。
「よく頑張ったね!!」私たちは応援の生徒諸君にも心からの拍手を送っていた...。
爽やかな感動をありがとう!!

       −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

帰路、阿倍野で途中下車してアサヒビアケラーに寄る。
ずっと日に晒されていたので、身体は熱く喉がカラカラになっていた。
クーラーの効いたホールで冷たい生ビールを飲む。
いくら飲んでも身体が冷めない。
いつもこんなに二人で飲むことはないのに、その日は3.3リットルも飲んでしまった。
飲んだ量を見て、一気に酔いが回った私たちだった。


帯広三条応援記写真集

応援団部員の妨げになる上に、報道関係者が多数入っていたので撮影・取材の邪魔になるため、
場内ではほとんどウロウロできず周囲の写真しか写せませんでしたが...。


8/02  シンプルが一番

冷房は苦手である。左足首の古傷が痛む...。
電車やスーパーなどでも、冷やし過ぎの場所にはなるべく近づかないようにしている。
まとわりつくような蒸し暑さの町に居ても、どうしても必要な時以外はもっぱら扇風機を愛用し
ている。それも軽く風が動いているのが好きで、一番弱くしてある。

その扇風機がついにご臨終になった。
先日から首を回すたびにカタンカタンと音がしていたけれど、動かなくなってしまった。
修理に出すと時間がかかる上に結構高くつくらしい。
買い換えるほうが安いとはまことに妙な話である。

たかが扇風機一台に逡巡していたある日、スーパーで展示特売を見た。
あまり名前を聞かないメーカーだけれど、「大手スーパーの扱いだから大丈夫かな。」としばし
立ち止まって考える。
今までの扇風機のように、〈超微風〉も〈ゆらぎの風〉も〈温度感知装置〉も〈立体首振り〉も付い
ていない。
風量は強・中・弱の三種類だけだし、手元に機能が揃っていて便利なことこの上なかった従来
の型と違って、首振りは昔懐かしい頭の後ろにポチが付いているタイプ。
それにタイマーが付いているだけの、とにかくシンプルな形である。成型もだいぶん安っぽい
印象を受ける。
以前の一台分で五台が買えるほどの安さ...。「ものは試しだ。買ってみよう。」
安い・軽い・シンプルに惹かれて購入する。

それにしても不必要な機能がたくさん付いている家電製品がなんと多いことか。
機能を使いこなしている人がいったいどれほどいるのだろう。
言い換えれば、それほどの機能を必要としている人が、いったいどれほどいるのだろう。
常時使用する機能は、極々限られているのではないだろうか。
至れりつくせりは人の五感をますます退化させるような気がする。

シンプルが一番...。そう思うことの多い今日この頃である。

 


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