つれづれなるままに |
2001年9月 |
9/13 | 蝉の声 |
町の住いの周辺でツクツクホウシが賑やかだ。 コオロギ、スズムシにカネタタキの声も聞こえ、町も秋の気配である。 町の蝉の代表はダントツでクマゼミである。 夏の間中「シャーンシャーンシャーン」といかにも暑苦しかった。 それにひきかえツクツクホウシの控えめなこと...。 この夏、高校野球の応援で故郷十勝からから来た人たちが一様に「朝の早くから何とうるさ いセミだか...。もう、吃驚してしまった。」とのこと。 「暑さとセミに参ってしまった。」と何人もの人が口にしていた。 クマゼミの大音響は慣れている筈の私たちでも耳を覆いたくなるほどなのだから、初めて聞 いた人たちの驚きはいかばかりだったろうか。 kiiさんが言う。 「自己主張の激しいのがクマゼミ。自信がないのがヒグラシ。ケチなのがツクツクホウシ。 一番の暑がりはアブラゼミ。」 クマゼミは「セーミ、セーミ、セミセミ」。もうわかったと言うのに、いつまでもしつこい。 ヒグラシは「カナ?カナ?カナ?」と鳴くから自信がなさそうなのだとか。 ツクツクホウシは「つくづく惜しい!!つくづく惜しい!!惜しいよ、惜しいよ!!」と、いかに もケチそうだとか。 アブラゼミは「ジーリ、ジリジリ。」とまるで焦げそうに鳴く。 「なんだ。真剣に聞いていたのにしょうもない駄洒落かあ...。」 言い捨てられてしょげているkiiさんである。 野迫川の蝉時雨はヒグラシ。 涼風を呼ぶようなヒグラシの声は夏の山で心地よかった。 今は秋蝉が鳴き、アケビの実も実りかけている。 トンボはいつの間にか数が減り、虫たちの声も盛りを過ぎたようだ。 山は少しずつ色づきはじめた。 |