つれづれなるままに |
3/30 | 天は二物を・・・。 |
道端に僅かな雪を残して、もうほとんどが融けてしまったが、「春は名のみ」で気温は 低い。 日が陰ると思わずブルッとさせられる。 このまま春に一直線だろうとは思えず、油断はできない。 昨年も四月の末に強烈な霜が降りて、さくらんぼの花芽が全滅した。 雲が途切れたとたんに、鶯の初音を聴いた。 まだ下手でぎこちない鳴き方だけれど、ふた声み声。 「鳴いたね!」kiiさんと顔を見合わせて、思わずニッコリする。 野迫川倶楽部の主人公は「おおるり」だが、まだはっきり姿を見たことはない。 実物みたさに双眼鏡を購入したが、たいていが作業中なので、いざという時に間に合 わない。 だから、たまに落ちている羽根でその美しさを想像するだけ・・・。 「おおるり」と「かっこう」の鳴き声が一番好きだけれど、かっこうの姿、形はお世辞にも 美とは縁遠い。 『天は二物を与えず』かっこうの声を聞くたびに、その言葉を思い浮かべる。 音の春は、もうすぐそこに・・・。 |
3/19 | 私たちはVターン |
「 I ターン」とか「 U ターン」という言葉が、田舎暮らしを志す人たちの、口の端に上るようになって久しい。 でも、私たちは「 V ターン」。 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」と室生犀星が詠んだ頃、「 Vターン 」などという概念は、浮かびもしなかっただろう。 ふるさとを遠く離れたkeiと、ふるさとをなくしたkiiが、大阪のとある町に住み、選んだ終の棲家は野迫川村。 「うらぶれて異土の乞食となるとても、帰るところにあるまじや」であり、都会には暮らせない二人なのでもある。 だから「 I ターン」でも「 U ターン」でもない。私たちは「 V ターン」。 新しいふるさとを、二人で作ろうということなのだ。 ふるさとは「生まれ育った場所」だと誰が決めたのだろう。 心のよりどころ、魂の安らげる場所を私はふるさとと呼びたい。 それが生まれ育った場所かどうかは、人それぞれの感慨があるだろう。 こんな新しい「ふるさと」の形が、あってもいいと思っている・・・。 人は生まれる場所を選択できないが、朽ちていく場所を決めることはできる。 |
3/14 | ただいま越冬中 |
野迫川倶楽部にはまだ住居がないので、備品や食品などを保存箱に入れ、スチールの物置何棟かに収納している。 普段は隅々まで見ることはないけれど、何か草っぽい匂いがするので、チェックして吃驚した。 各物置に、おびただしいてんとう虫がただいま越冬中! 星の数は様々だが、害虫といわれる「ニジュウヤホシ」がいないので一安心。 まだ冷え込んでいる野迫川では、動くことも出来ない彼らだが、手のひらのぬくもりの上で、もぞもぞとする。 「今年もがんばってお仕事してね。もう少しお休み・・・。」と、そっと戸を閉じる。 カミキリムシとカメムシには、断固きびしい姿勢で臨む私だけれど、てんとう虫ととんぼには優しい。かなり「げんきん」な性格・・・。 カミキリムシは白樺の大敵である。昨年もどれほど穴をあけられたことか・・・。 それをアオゲラが突っつきにくるから、白樺が痛々しい。 大嫌いなカミキリムシを、「綺麗な虫なのに、つぶしたらかわいそう。」と言った御仁がいた。 私は一瞬、聞き違いかと我が耳を疑った。 カメムシと違って、確かにカミキリムシには、どことなく影のあるオシャレな雰囲気はあるけれど・・・。 |
3/11 | 斜め読み電脳辞典から |
本日付の日本経済新聞の33面に、『SATURDAY“x”NIKKEI』があり、このページは私のお気に入りのひとつ。 『ああ パソコンがわからない・・・。』とサブタイトルがついたその記事・・・。 そのうちのいくつかを見た瞬間、私は笑い転げてしまった。 おかしくって、おかしくって、涙が出てしまった。 *『フリーズ』余りにも突然の故障に、利用者が固まってしまうこと。 (つい先ごろ経験したばかりで、クラッシュの傷はまだ癒えていない。) *『エラーメッセージ』基本ソフト(OS)が自らの出来の悪さを棚に上げ、自分の失敗の責任を利用者に転嫁しようとする時の常とう手段。 主な言いがかりに「不正な処理」がある。 (正しい操作でOSを終了させたのに、キイボードもマウスも動作しなくなり、やむなく強制終了すると「正しく終了しなかった。次回からきちんと終了せよ。あんたが間違った操作をしたからドライブのスキャンをする。」という。 利用者はいつも無実の罪を着せられている。 小さい頃よく言われたでしょう?「ウソをつくと閻魔様に舌を抜かれるよ。」と。 PCに舌があるのなら、思いっきり引っこ抜いてやりたい。) *『ヘルプ』困ったときに開くと、なぜかいつも、自分が知りたいことだけ書いてないパソコンの基本機能。 PCには理解しがたい部分がたくさんあって、ゴネだしたら始末におえない。 そんな思いを最近しばしばさせられて、結構ストレスがたまっている。 身につまされて、何となく納得して、そして思いっきり笑った。 おかげで少し肩が楽になったようだ。 日経新聞のk記者殿、ありがとうございます。 |
3/6 | ふるさとのこと |
私は北海道の十勝地方・帯広市出身。 今年の雪と凍害は、半端ではなかったと聞いて心を痛めている。 関西で暮らす年月がはるかに多くなるにつれて、何故か帯広での様々な光景が脳裏をよぎる。 十勝川の川原が幼い頃からの遊び場だった。 男の子たちを引き連れて、すすきケ原で「ちゃんばらごっこ」のがき大将。 青春の日々をやさしく育んでくれた、あの楡の木はまだ健在だろうか。 ライラックの紫が瞼に浮かぶ・・・。 北海道に移住する勇気も無く、さりとて街で暮らすことの苦手な私たちの選択は、雪の降る山でメリハリのある四季を感じながら暮らすこと。 野迫川の季節の変化は、十勝地方と驚くほどよく似ている。 違うのは雪の深さと気温の下がり方と、大地の広さ・・・。 野迫川村の、立里(たてり)の荒神社の手前にある白樺林で、ふるさとを偲ぶ。 トップページの写真を入れ替え、このページを書いた30分後に、UPを待たずしてフリーズ、クラッシュ。だから日付は3/1のはずだった。 PCを触れなかった何日か、ほんとうに寂しかった。 現実の野迫川倶楽部も、HPの野迫川倶楽部も、今はもう私たちの大切な分身のような気がする。 |