つれづれなるままに

1999年|2000年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月12月

11 月

【シックハウス症候群】

 
11/04  シックハウス症候群

シックハウス・・・住宅や建築が原因で、有害科学物質が人体に悪影響を及ぼすこと。

シックハウスが口の端に上りだしてもう久しい。それも老人や子供に影響が大だとか・・・。
まったく影響を受けない人もあるのだから、様々な要因が絡み合ってのことだとは思うが。

 若い友人からTELがあった。
小学生の一人娘がシックハウス症候群の診断を受けたとのこと。
入院して病院からの通学を余儀なくされそうだとか・・・。
「ついに来たか・・・。」の思いと共に、後悔の念がこみあげる。

 二年前、「新築を購入することになったんです。」と嬉しそうに報告に寄った彼女。
喜びに水を注せなくて、あからさまにはシックハウス症候群のことを口に出せなかった。
「入居前は勿論だけれど、入居後も通風、換気には充分留意してね。」
それぐらいのことしか言えなかった。
幸せの象徴のような新築の家が、こんな結果をもたらすなど一体誰が想像しよう・・・。
転居後一年が経ち、二年目を過ぎようとして、「よかった。彼女のところは大丈夫だった。」
と、密かに胸を撫で下ろしていたのだが・・・。

 私自身建物に少しばかり関わる仕事を持ち、シックハウスの怖さも体験しているけれど、
自分や家族が遭遇しないことには、なかなかこんな問題に目を向けられるものではない。
転居までの数ヶ月、新しい生活への夢を語る彼女には、それとなく告げた言葉も耳には入っ
ていなかったに違いない。

 健康住宅を建てるためのコストを考えると、現状では割高になることが未だに改善されにく
い理由の一つかもしれないが、施工主と施工者の意識の低さが一番大きいのではないだろ
うか。
徐々に身体を蝕むものの怖さを、以外に平気で見過ごしてしまう・・・。
家を建てるにあたって譲れないものは、見た目の良さではない。

 今、シックハウス症候群と診断された子供を抱えて、彼女がより真剣に食・住・衣のことを
考え始めたことが伝わってくる。


 私達の人生はあと何回の食事かと考えると、おいしい素材を使った料理がしたくなり、それ
が自ら農作物を作ることに繋がっていく。
心地よい暮らしがしたいから自然の中で生きることを選び、そして出来る限り自然に近い材
料を使った家造りをしようと考えるようになった。
それが身体が求めている生活であり、また身体に優しい生活なのだと思っている。

 
 
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