つれづれなるままに |
11/04 | シックハウス症候群 |
シックハウス・・・住宅や建築が原因で、有害科学物質が人体に悪影響を及ぼすこと。 シックハウスが口の端に上りだしてもう久しい。それも老人や子供に影響が大だとか・・・。 まったく影響を受けない人もあるのだから、様々な要因が絡み合ってのことだとは思うが。 若い友人からTELがあった。 小学生の一人娘がシックハウス症候群の診断を受けたとのこと。 入院して病院からの通学を余儀なくされそうだとか・・・。 「ついに来たか・・・。」の思いと共に、後悔の念がこみあげる。 二年前、「新築を購入することになったんです。」と嬉しそうに報告に寄った彼女。 喜びに水を注せなくて、あからさまにはシックハウス症候群のことを口に出せなかった。 「入居前は勿論だけれど、入居後も通風、換気には充分留意してね。」 それぐらいのことしか言えなかった。 幸せの象徴のような新築の家が、こんな結果をもたらすなど一体誰が想像しよう・・・。 転居後一年が経ち、二年目を過ぎようとして、「よかった。彼女のところは大丈夫だった。」 と、密かに胸を撫で下ろしていたのだが・・・。 私自身建物に少しばかり関わる仕事を持ち、シックハウスの怖さも体験しているけれど、 自分や家族が遭遇しないことには、なかなかこんな問題に目を向けられるものではない。 転居までの数ヶ月、新しい生活への夢を語る彼女には、それとなく告げた言葉も耳には入っ ていなかったに違いない。 健康住宅を建てるためのコストを考えると、現状では割高になることが未だに改善されにく い理由の一つかもしれないが、施工主と施工者の意識の低さが一番大きいのではないだろ うか。 徐々に身体を蝕むものの怖さを、以外に平気で見過ごしてしまう・・・。 家を建てるにあたって譲れないものは、見た目の良さではない。 今、シックハウス症候群と診断された子供を抱えて、彼女がより真剣に食・住・衣のことを 考え始めたことが伝わってくる。 私達の人生はあと何回の食事かと考えると、おいしい素材を使った料理がしたくなり、それ が自ら農作物を作ることに繋がっていく。 心地よい暮らしがしたいから自然の中で生きることを選び、そして出来る限り自然に近い材 料を使った家造りをしようと考えるようになった。 それが身体が求めている生活であり、また身体に優しい生活なのだと思っている。 |